top of page

事前確定届出給与(役員賞与)を活用しよう!社会保険料も削減できるかも!?中小企業向けに足立区の税理士が簡単に解説!

更新日:6月18日

業績も良いし役員にも賞与を出したい!が、役員は毎月の定期同額給与じゃないとダメと税理士に言われた...。そんなことはありませんか?確かに役員の給与は制限が多く、普通に賞与として支給しては、税務上は損金として認められません。ですが、事前に一定の届出書を提出しておけば、役員への賞与も損金算入が認められます!その方法やメリット等を中小企業向けに簡単に解説していきます!


1. 事前確定届出給与とは?

事前確定届出給与とは?

事前確定届出給与とは、法人が役員に対して支給する給与の一部を、事前に税務署に届け出ることで、これを損金として計上できるようにした制度です。この制度により、通常は損金として認められない役員への賞与の支給も、損金として認められることになります。


2. なぜ事前確定届出給与が必要なのか?

事前確定届出給与の目的は、法人が役員に支給する給与の透明性を確保し、税務上の不正行為を防ぐことです。役員の給与は通常、不正な利益操作を防ぐために、定期同額給与と呼ばれる毎月決まった金額だけが損金として認められます。業績が良いからといって決算前に多額の役員賞与を好き勝手に支給していたら、利益操作の温床となってしまうからです。ですが、この事前確定届出給与の制度により、法人は役員報酬の一部を事前に定め、これを税務署に届け出ることで、通常は認められない役員賞与も損金に計上することができるのです。


3. 事前確定届出給与の手続き

事前確定届出給与の届け出の手続き

役員に定期同額給与以外の給与(賞与)を支給する場合、事前にその給与についての届出書を税務署に提出する必要があります。


①届出書の作成

「事前確定届出給与に関する届出書」に「付表1(事前確定届出給与等の状況)」を合わせて税務署に提出します。この届出書により役員賞与の支給時期と支給額を決定します。また、この際に定期同額給与の金額も明確にします。


②支給時期と支給額

支給時期(年月日)と支給額を明確にします。ここで決定した支給時期と支給額の通りに支給を行わないと、損金として認められないので注意が必要です。現実的に支給可能な日付と金額を考える必要があります。なお、支給額は額面を記載します。


③提出期限

"事前確定届出給与に係る株主総会等の決議をした日"または"事前確定届出給与に係る職務執行を開始する日"のいずれか早い方から1月を経過する日までが提出期限となります。簡単に考えると、決算が確定した日(定時株主総会の決算決議日)から1月以内が提出期限と思ってもらえればOKです。


④実際の支給

届出書に記載した支給日と支給額の通りに支給を行います。届出書の通りの支給日と支給額でないと損金として認められません。支給額は額面を記載しているので、実際はそこから社会保険料や源泉所得税を差し引いて支給することになります。なお、業績悪化等により支給が難しい場合には、役員が受給の辞退をすることにより、支給をしないという選択肢もあります。


4. 事前確定届出給与のメリット

事前確定届出給与のメリット

わざわざ届け出をしないで月額を増やしたら良いんじゃないの?という意見もありますが、事前確定届出給与の活用にはいくつかのメリットがあります。


①資金繰りの安定

例えば、役員報酬の月額を少し下げてその代わりに役員賞与として支給すると、毎月の資金繰りが安定します。役員賞与の支給時期と金額も決まっていれば、資金繰りの見通しも明確になります。季節によって売上が大きく変動する業種にとっては、まずは毎月の資金繰りを安定させるために、役員賞与の活用は有効的です。


②業績が悪ければ受給を辞退

役員賞与を支給予定だったが、業績が悪化してしまい資金が乏しい状態になると、当初予定していた役員賞与を支給している場合ではないかもしれません。その場合、役員が賞与の受給を辞退することにより、そもそも支給しないという選択も可能です。この場合は、辞退したことの株主総会議事録を作成しておきましょう。なお、届け出た支給額より少ない金額を支給した場合は全額が損金として認められません。


③法人税の軽減

定期同額給与とは別に役員賞与を支給すれば、その全額が損金として認められますので、法人税の軽減に繋がります。


④社会保険料の削減

賞与に係る社会保険料の計算は、通常の給与の社会保険料の計算とは違うため、社会保険料が削減できる可能性があります。賞与の社会保険料の計算では、社会保険料が課される賞与額に上限が設けられており、健康保険が573万円、厚生年金が150万円で上限となります。例えば役員賞与を600万円支給した場合、健康保険は27万円(600万-573万)、厚生年金は450万円(600万-150万)の部分に対しては社会保険料が発生しません。上限の573万円と150万円の部分のみに社会保険料が発生します。これにより、同じ年額であっても、あえて役員賞与としてまとめて支給することで社会保険料が削減できる可能性があります。


5. 実務上の注意点

事前確定届出給与の注意点

事前確定届出給与を利用する際には、いくつかの注意点があります。


①期限内の提出を忘れずに

決められた期限内に届出書を提出する必要がありますが、会社によって期限が違うので、提出を忘れてしまいがちです。決算確定から1月以内を目安に提出をしなければならないということを覚えておきましょう。


②届け出た通りに支給を

届出書には支給時期と支給額を記載しますが、この時期と金額をその通りに支給しないと全額が損金として認められません。例えば、2024年12月29日に600万円の役員賞与を支給するとして届出書を提出したが、2024年12月28日に支給していた場合はアウトです。日付は合っているが、支給額が500万円だった場合もアウトです。


③過大な報酬は認められないリスクあり

そもそも役員報酬の金額は、社会通念上適正な範囲内で設定することが必要です。その職務の内容や類似法人と照らし合わせて、不相当に過大な報酬は損金として認められないリスクがあることを覚えておきましょう。


④基本は支給することを前提に

業績の悪化により、受給を辞退することにより支給しないことも可能ですが、その時は受給辞退の株主総会議事録等を残しておきましょう。また、そこまでの業績悪化ではないのに、ただなんとなく毎年辞退を続けていると、そもそも支給する気がないと思われ、いざ本当に支給した時に損金として認められなくなるリスクもあります。"とりあえず届出書を提出しておこう"ではなく、支給することを前提に、現実的に支給可能な範囲で時期や金額を考えることも大切です。


⑤将来の年金の受給額が減るかも

社会保険料の削減を目的にこの制度を利用する場合は、支払う社会保険料が減少する分、将来に受け取る年金も減少する可能性があります。将来の年金もある程度確保したいということであれば、役員報酬の標準報酬月額を一定額以上にしておくという考えも大切です。また、負担する社会保険料が減少すれば、その分所得が増加し法人税の負担が増える可能性もあります。これらを総合的に考えて判断する必要があります。


6. まとめ

事前確定届出給与は、正しく活用すればメリットも多く、中小企業には使い勝手の良い便利な制度です。有効活用してより良い経営を目指すために、まずは親身に相談に乗ってくれる専門家に相談しましょう!



ご相談の方は以下よりお問い合わせください。

初回は相談無料となります。


※上記記事は令和6年6月時点の情報に基づいて記載しております。

※上記記事は一般的な内容を記載しているため判断の際は専門家へのご相談をお願い致します。






閲覧数:77回0件のコメント

コメント


bottom of page