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食料品の消費税ゼロに潜む罠!?良いことばかりではないかもしれません...。消費税の仕組みについて足立区の税理士が解説!

  • hsatou0
  • 2 分前
  • 読了時間: 7分

令和8年2月の衆議院選挙に向けて、各党が消費税の減税を訴えています。


中でも「食料品の消費税ゼロ」がフォーカスされていて、消費者としては期待したいところです。


ですが、実は食料品の消費税のみをゼロにした場合、場合によっては様々な弊害が出てくる可能性もあるのです...


確定した事項ではないので、今回はあくまで予測が中心になりますが、どんなことが起こりうるか税理士視点で解説します!


目次

1 . 食料品の消費税がゼロに!?

2 . 飲食店は損をする可能性が!?

 ①消費税ゼロになったら?

 ②仕入れ価格に減税分が反映されない可能性あり

 ③飲食店は価格転嫁が難しい?

 ④テイクアウトとの価格差が拡大し外食控えも

3 . 小売店もリスクあり

4 . "非課税売上"になるとさらに危険

 ①"非課税"の場合は?

 ②"消費税率0%"の場合は?

5 . 単一税率か廃止が望ましい

6 . まとめ


1 . 食料品の消費税がゼロに!?

令和8年2月の衆院選に向け、各党が「消費税減税」を打ち出しています。


中でも自民党含め「食料品の消費税ゼロ」を掲げる党が複数あり、足元の物価高対策にはインパクトがあるように思えます。


もし食料品の消費税ゼロが実現した場合、私たちの生活にはどのような影響が考えられそうでしょうか?


普段買い物をする消費者からしたら減税で負担が軽くなったと感じるかもしれません。


一方で、飲食料品を販売している飲食店や小売店の立場ではどうでしょうか?


食料品だけ消費税がゼロになっても、もしかしたら良いことだけではないかもしれません...


2 . 飲食店は損をする可能性が!?

飲食店は損をする?

消費税の計算は原則、売上に含まれている消費税から経費に含まれている消費税を差し引いた差額を納付します。


消費者が直接納付するのではなく、事業者がまとめて納付する仕組みです。


つまり飲食店の場合、料理を提供した売上金額に含まれる消費税から、食料品の仕入れ金額に含まれる消費税を差し引いて納付します。


現行の消費税率8%の場合だと基本的な流れは以下のようになります。


仕入先

⇓ 54円(内消費税4円)で仕入れ

飲食店

⇓ 110円(内消費税10円)で提供

消費者


110円(売上)-54円(仕入)-6円(消費税)=50円の利益


①消費税ゼロになったら?

食料品が消費税ゼロになった場合は以下のようになります。


仕入先

⇓ 50円(内消費税0円)で仕入れ

飲食店

⇓ 110円(内消費税10円)で販売

消費者


110円(売上)-50円(仕入)-10円(消費税)=50円の利益

本来であればこれが理想の形ですが、本当にこの通りにいくとは限りません。

飲食店には様々なリスクが考えられるのです。


②仕入れ価格に減税分が反映されない可能性あり

消費税がゼロになったからといって、仕入れ金額がその分安くなるとは限りません。

物価高に変わりはないため、仕入れ先の業者も実質的なサイレント値上げをする可能性も否定できません。


仕入先

⇓ 54円(内消費税0円)で仕入れ

飲食店

⇓ 110円(内消費税10円)で販売

消費者


110円(売上)-54円(仕入)-10円(消費税)=46円の利益

もし今までの税込54円の金額を据え置いたまま仕入れすることになると、飲食店だけが一方的に負担を強いられる可能性があります。


もしこれを解消するためには、その負担分を販売価格に転嫁しなければなりません。


③飲食店は価格転嫁が難しい?

上記②になってしまった場合は、飲食店側も販売価格に転嫁したいのが普通です。

ですが、消費者心理やテイクアウトとの競合により、販売価格に転嫁しにくいことが考えられます。


「食料品は消費税ゼロなのに、なぜ飲食店は値上げするの?」という消費者心理が働き、実質的に飲食店の税負担が増えても、販売価格に転嫁しづらい状況が生まれる可能性があります。


もし価格転嫁をした場合は下記のようになります。


仕入先

⇓ 54円(内消費税0円)で仕入れ

飲食店

⇓ 114円(内消費税10円)で販売

消費者


114円(売上)-54円(仕入)-10円(消費税)=50円の利益

こうなってしまうと、食料品の消費税をゼロにしたと言いつつ、実質的には飲食店の値上げに繋がってしまいます。


④テイクアウトとの価格差が拡大し外食控えも

同じ食料品でも、テイクアウトなのか店内飲食かの違いだけで10%も価格が違ってきます。


そうなると店内飲食が割高に見えるのは当然で、外食控えが発生する可能性があります。


テイクアウトとの価格差が拡大することで客足が減り、飲食店業界には大打撃になるかもしれません。


消費税がゼロになっても、飲食店側には恩恵がなくむしろマイナスになる可能性も出てきます。


3 . 小売店もリスクあり

小売店もリスクあり

食料品の小売店も同様で、消費税がゼロになったからといって、仕入れ金額がその分安くなるとは限りません。

仕入れ先の業者が実質的なサイレント値上げをする可能性も否定できません。


仕入先

⇓ 54円(内消費税0円)で仕入れ

小売店

⇓ 100円(内消費税0円)で販売

消費者


100円(売上)-54円(仕入)-0円(消費税)=46円の利益

今までの税込54円の金額を据え置いたまま仕入れすることになると、小売店だけが一方的に負担を強いられる可能性があります。

(消費者は"減税した分安くなるはず"と思う為、小売店側が減税前の価格に据え置くことはしづらいと想定しています)


もしこれを解消するためには、その負担分を販売価格に転嫁しなければなりません。


仕入先

⇓ 54円(内消費税0円)で仕入れ

小売店

⇓ 104円(内消費税0円)で販売

消費者


104円(売上)-54円(仕入)-0円(消費税)=50円の利益

こうなってしまうと、消費税をゼロにしたと言いつつ、実際の消費者の恩恵はかなり少なくなってしまいます。


4 . "非課税売上"になるとさらに危険

非課税売上になると危険?

争点は"消費税率0%"なのか"消費税非課税"なのかになります。

これによって小売店や飲食店の負担が大きく変わることになるからです。


①"非課税"の場合は?

可能性は低いですが、食料品の売上が"非課税売上"に該当すると厄介です。

"非課税売上"を上げる為に支出した費用に含まれる消費税は、消費税の計算で納付額から差し引くことができません。仕入税額控除ができない


例えば、お店を運営する為には家賃の支払いがあります。

そこにはもちろん消費税が含まれていますが、その消費税分を消費税の納税額から差し引くことができないのです。


仕入先

⇓ 50円(内消費税0円)で仕入れ

小売店 家賃11円(内消費税1円)

⇓ 100円(内消費税0円)で販売

消費者


100円(売上)-50円(仕入)-11円(家賃)=39円の利益

消費者への売上が"非課税売上"となると、家賃に含まれる消費税1円がそのまま小売店の負担増に繋がります。

現行であれば40円の利益が出るところが1円減ってしまっています。


②"消費税率0%"の場合は?

一方で、"消費税率0%"とも言われていて、こちらの方が可能性は高いと思っています。


"消費税率0%"であれば、家賃に含まれる消費税1円の仕入税額控除が可能です。

そうすれば40円の利益となり、小売店の負担増には繋がりません。


ただし、他に納付する消費税額がなければ、確定申告後にその分が還付される流れとなるので、資金繰りには注意が必要かもしれません。


一度支払って後で還付されることになるので、ギリギリで運営しているお店にとっては痛いかもしれません。


5 . 単一税率か廃止が望ましい

こうした不公平感や税の複雑化を防ぐには、消費税を単一税率にするか、一時的にでも廃止することが望ましいと考えています。


例えば、消費税を一律5%にする等すれば、インボイス制度も不要になり、業種による不公平感もなくなります。


さらに廃止ともなれば、事業者も消費者も全員の負担が軽くなるのは間違いありません。


もちろん事務作業も簡便化されて、時間的余裕も生むことが期待できます。

人手不足ならなおさら単一税率か廃止が望ましいですね。


6 . まとめ

消費税の減税に期待する一方で、実は損をする人がいることや、減税効果を100%享受できない可能性も理解しておかなければなりません。


今回の内容は確定事項ではないので、予測を含めた税理士視点での見解です。


実際に食料品の消費税ゼロとなったら、不公平感をなくために政府は色々と措置を講じてくれるはずです。

今回紹介したような悪いケースになる可能性の方が少ないとは思っています。


あくまで今回は"こんなケースもある"という限定的な内容でしたが、その可能性を知っておくだけでも、今後の税制の動向がより楽しくなると思います。



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※上記記事は令和8年1月時点の情報に基づいて記載しております。

※上記記事は一般的な内容を記載しているため判断の際は専門家へのご相談をお願い致します。

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