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賞与の手取りにビックリ!?SNSで話題の「税金と社会保険料が高すぎる」その正体と年末調整の仕組みを足立区の税理士が解説!

  • hsatou0
  • 12 分前
  • 読了時間: 7分

夏と冬、または春にボーナスを支給する会社が多いと思います。


しかし、SNSを開けば「額面はいいのに手取りが少なすぎる」「もはや罰金レベル」といった嘆きが溢れています。


「せっかくのボーナスなんだから、税金取らないでよ!」という声が出るのも無理はありません。


なぜ賞与の天引きは、これほどまでに私たちの心を折りに来るのでしょうか?


賞与にかかる税金や社会保険料について、計算方法も交えて税理士目線で解説します!


目次

1 . なぜ賞与の天引きは「高く」感じるのか?

 ①社会保険料の天引き

 ②源泉所得税の天引き

2 . 金額別のシミュレーション

 ①賞与100万円

 ②賞与300万円

3 . 賞与に係る健康保険と厚生年金には上限が存在する

4 . 前月給与が極端に少なかったり多かったりした場合は?

 ①前月の給与(社保控除後)が80万円だった場合

 ②前月の給与(社保控除後)が15万円だった場合

 ③前月の給与(社保控除後)の10倍を超える賞与は特殊な計算

5 . 取りすぎた税金は年末調整で戻ってくる!

6 . 「ボーナスから税金取るな!」は通用しない?

7 . まとめ



1 . なぜ賞与の天引きは「高く」感じるのか?

なぜ?

実は賞与の天引きには「給与とは違うルール」が適用されています。

そのため、額面が大きくなりがちな賞与は天引きされるものも大きくなるのです...


①社会保険料の天引き

昔は賞与から社会保険料は引かれませんでした。

しかし現在は、月々の給与と同じ率がバッチリ引かれます。


令和7年度で東京都と仮定すると、賞与から引かれる社会保険料率は以下となります。

健康保険:40歳未満は4.955%、40歳以上は5.75%

厚生年金:9.15%


合わせると、最低でも賞与額から14%以上の社会保険料が天引きされます。


②源泉所得税の天引き

賞与に係る所得税率は、「前月の給与(社会保険料控除後)」の金額で決まります。

賞与の金額ではなく、前月の給与の金額で天引きする税率が決まるため、たまたま前月の残業代やインセンティブが多かったりすると、賞与の税率が跳ね上がってしまうことがあります。


例えば、前月の給与から社会保険料を引いた金額が35万円だった場合、賞与から引かれる

所得税率は10.21%となります。


賞与額面から①で計算した社会保険料を控除した残額に対し、この所得税率を掛けて計算します。


細かい計算は後述しますが、①と合わせると単純計算で賞与額から約24%近くが社会保険料と所得税で引かれる計算となります。


では、もっと具体的に計算をしてみましょう。


2 . 金額別のシミュレーション

賞与の額面が100万円の場合と300万円の場合を見てみましょう。

なお、40歳未満で扶養親族はなし、前月の社保控除後の給与は35万円と仮定します。

上記で解説した通り、前月給与が35万円の所得税率は10.21%となります。


①賞与100万円

社会保険料:100万円×(4.955%+9.15%)=141,050円

源泉所得税:(100万円-141,050円)×10.21%=87,698円

差引支給額:100万円-141,050円-87,698円=771,252円


まず、賞与額面に対し健康保険と厚生年金の料率を掛けて、社会保険料の天引き額を算出します。

次に、賞与額面から天引きする社会保険料を控除し、その残額に対して所得税率を掛けます。


結果、賞与額100万円に対し、2割以上を社会保険料と所得税で天引きされています。


②賞与300万円

健康保険 :300万円×4.955%=148,650円

厚生年金 :150万円×9.15%=137,250円

源泉所得税:(300万円-285,900円)×10.21%=277,109円

差引支給額:300万円-285,900円-277,109円=2,436,991円


賞与額300万円に対し、2割弱が社会保険料と所得税で天引きされています。

なぜ、①より天引き割合が少ないのでしょうか?


それは、健康保険と厚生年金の"上限"が関係してきます。


3 . 賞与に係る健康保険と厚生年金には上限が存在する

上記②で厚生年金を150万円で計算しているのは何故でしょうか?

それは、健康保険と厚生年金でそれぞれ上限が存在しているからです。


具体的には、健康保険であれば573万円厚生年金であれば150万円が計算の上限になります。


なので、賞与額面がこれらの上限を超えた場合、その上限の金額で健康保険または厚生年金を計算するのです。


仮に賞与額面が600万円だとした場合、健康保険が573万円に対し4.955%、厚生年金が150万円に対し9.15%で算出する為、上限を超えた部分には社会保険料が発生しないことになります。


賞与額面が大きいほど社会保険料の負担が少なく済み不公平感が生まれる為、「この上限を引き上げるべき」という話が出ていると出ていないとか...


4 . 前月給与が極端に少なかったり多かったりした場合は?

上記2のシミュレーションでは前月の給与が35万円と仮定しましたが、これが極端に少なかったり多かったりした場合はどの程度天引き額が変わるのでしょうか?

賞与額面を300万円にしてシミュレーションしてみましょう。


①前月の給与(社保控除後)が80万円だった場合

健康保険 :300万円×4.955%=148,650円

厚生年金 :150万円×9.15%=137,250円

源泉所得税:(300万円-285,900円)×28.588%=775,906円

差引支給額:300万円-285,900円-775,906円=1,938,194円


前月の給与が高い為、所得税率が28.588%に引き上がっています。

同じ賞与300万円に変わりはありませんが、前月給与の金額だけでこれだけの差が生じます。


この場合、賞与額300万円に対し、3割以上が社会保険料と所得税で天引きされています。


②前月の給与(社保控除後)が15万円だった場合

健康保険 :300万円×4.955%=148,650円

厚生年金 :150万円×9.15%=137,250円

源泉所得税:261,180円

差引支給額:300万円-285,900円-261,180円=2,452,920円


同じ賞与300万円に変わりはありませんが、①と比較すると手取り額に50万円以上の差が生じています。


この場合、賞与額300万円に対し、約2割弱が社会保険料と所得税で天引きされています。


③前月の給与(社保控除後)の10倍を超える賞与は特殊な計算

上記②で源泉所得税の計算式がないのは、前月給与の10倍を超える賞与を支給する場合は、源泉所得税の計算が特殊になる為です。

詳細はこちらの国税庁のページをご参照ください。


前月給与が少なく賞与だけが大きいと、年間を通して見たときの所得税の金額と大きく乖離する可能性がある為、特殊な計算で源泉所得税を少し多く天引きするようになっています。


詳しくは最寄りの税理士にご相談ください。


5 . 取りすぎた税金は年末調整で戻ってくる!

年末調整で還付

ここで重要なのが、賞与から引かれている所得税は、あくまで"仮の金額"だということです。


所得税の正しい金額は、1月1日から12月31日までの「年収」が確定しないと決まりません。


賞与の段階では"多め"に引かれているケースが多い為、年末調整で1年間の総所得や税額を計算した結果、引かれ過ぎた分が"還付金"として戻ってきます。


還付されるまでにはタイムラグがありますが、引かれた分が丸々なくなる訳ではなく、年末調整で引かれ過ぎた分は返ってくるということを理解しておきましょう。


6 . 「ボーナスから税金取るな!」は通用しない?

SNSでも「ボーナスから税金取るな」「もはや罰金」という声もちらほら見かけますが、ボーナスからも税金を取らないと、不公平になってしまうので仕方がありません。


例えば、月の給与をあえて低く抑えて、年1回まとめてボーナスで支給した場合、その人には税金がほとんどかからないことになってしまいます。

ボーナスがなく月給のみの人と比較したら完全に不公平です。


企業の裁量で個人の税金の有無が大きく変動してしまうのは良くありません。


賞与も給与(所得)の一部ということを理解し、冷静に判断する必要があります。


7 . まとめ

賞与から社会保険料や税金がたんまり取られた時の虚しさ...気持ちは痛いほど分かりますが、現在の日本の税制では、賞与も「立派な所得」としてカウントされてしまいます。


ただ、「今引かれているのはあくまで仮の金額」であり、年末に正しく精算されることを知っておくだけで、少しだけ心の平穏を保てるかもしれません。


賞与について理解を深めたい方は、ぜひ一度お近くの税理士にご相談ください。



ご相談の方は以下よりお問い合わせください。

初回は相談無料となります。


※上記記事は令和8年2月時点の情報に基づいて記載しております。

※上記記事は一般的な内容を記載しているため判断の際は専門家へのご相談をお願い致します。



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