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税務調査で指摘されやすい『みなし役員』とは?企業経営や経理・税務において非常に重要、足立区の税理士がわかりやすく解説します!

12 分前
読了時間: 6分

今回のテーマは、経営、経理、税務において非常に重要なキーワードである『みなし役員』についてです。


『登記上の役員でないから関係ない』『ただの社員だから大丈夫』と思っていても、税務調査で突然『みなし役員』と判定され、思わぬ追徴課税を受けてしまうケースが後を絶ちません。みなし役員の基本的な定義から、判定される基準、そして税務上のリスクについてわかりやすく解説していきます。


1 . みなし役員とは?

2 . なぜ『みなし役員』に注意が必要なのか?~税務上のリスク~

3 . みなし役員と判定される2つのパターン

 ① 経営に従事している『肩書き』のある人

 ② 同族会社の従業員で、一定の株式を保有している人

4 . 【補足解説】みなし役員判定の壁『50%・10%・5%基準』とは?

5 . トラブルを防ぐためのポイント

6.まとめ



1 . みなし役員とは?

『みなし役員』とは?会社法と法人税法での取り扱いの違い
『みなし役員』とは?会社法と法人税法での取り扱いの違い

『みなし役員』とは、会社法上の登記(法務局での役員登記)はされていないものの、法人税法上では『役員』として扱われる人のことです。


通常、会社の役員(取締役や監査役など)は登記簿謄本に名前が記載されます。しかし、税務上は『登記の有無』だけでなく『実態として会社の経営にどれくらい関わっているか』を重視します。つまり、実質的に会社の経営を動かしている人物であれば、肩書きや登記に関わらず『役員とみなす』とされてしまうのです。






2.なぜ『みなし役員』に注意が必要なのか?~税務上のリスク~

みなし役員と判定された場合、最大のリスクは『給与や賞与の税務上の取り扱いが変わる』という点にあります。


・一般の従業員の場合:支払った給与や賞与は、原則として会社の経費(損金)として計上できます。


・役員(みなし役員を含む)の場合:役員に対する報酬はルールが厳格です。毎月一定額を支払う『定期同額給与』や、事前に税務署へ届け出る『事前確定届出給与』などの要件を満たさない限り、経費(損金)として認められません。


もし、一般の従業員だと思って支給していた賞与が、後から『みなし役員への賞与』と判定されてしまうと、その賞与は全額経費として認められず(損金不算入)、法人税を追加で納めることになってしまいます。



3 . みなし役員と判定される2つのパターン

では、どのような人が『みなし役員』と判定されるのでしょうか。大きく分けて以下の2つのパターンがあります。


① 経営に従事している『肩書き』のある人

登記されていなくても、以下のような役員に近い肩書きを持ち、かつ実質的に会社の経営に従事している場合は、みなし役員となります。


 例) ・会長・副社長・専務・常務などの役職名がついている人

   ・相談役・顧問などの肩書きで、経営方針の決定に関与している人


『実質的に会社の経営に従事しているか』は、人事権の有無、重要な取引の決裁権限、資金繰りへの関与などから総合的に判断されます。


② 同族会社の従業員で、一定の株式を保有している人

オーナー企業などの『同族会社』においては、親族である従業員がみなし役員になりやすい傾向にあります。以下のすべてを満たす従業員は、みなし役員と判定されます。

 

 ・同族会社の従業員である

 ・その会社の株式を一定割合以上保有している ※詳しくは『4.【補足説明】』へ

 ・実質的に会社の経営に従事している


社長の配偶者や子供が、登記上の役員ではなく『部長』や『経理担当』として働いている場合でも、会社の株式を持ち、重要な経営判断に関わっているとみなされれば、この要件に該当します。



4 .【補足説明】みなし役員判定の壁『50%・10%・5%基準』とは?

廃棄損を疑う理由
みなし役員の判定 該当するかチェックしてみよう

前述しました、同族会社の従業員がみなし役員と判定される条件の一つとして『一定の株式を保有していること』を挙げました。実はこの判定には、税務上の複雑なルールが存在します。

それが『50%・10%・5%基準』と呼ばれるものです。

なぜこんなに複雑なルールがあるのでしょうか?それは、『社長の家族に少量の株を持たせ、実質的な役員なのに従業員として扱って税金対策をする』といった抜け道を塞ぐためです。

このルールは、以下の3つのステップ(基準)をすべて(順番に)クリアしてしまった従業員が、みなし役員の対象となります。


その1:50%基準~会社の支配グループに属しているか?~

まず、会社の株主を『親族などのグループ』ごとに分け、持ち株割合が多いグループ順に並べます。

そして、第1位のグループから順に割合を足していき、合計が初めて50%を超えたところまでのグループに、その従業員が含まれているかを判定します。


 例)社長一族グループで80%の株を持っている場合

     →その一族に含まれる従業員(配偶者や子供)は、この『50%基準』をクリア


その2:10%基準~そのグループの影響力は大きいか?~

次に、その従業員が属している株主グループ単独で、会社の株式の10%を超えて保有しているかを判定します。


 例)先ほどの『社長一族グループ』で80%保有している場合

     →10%を超えているので、この基準もクリア


その3:5%基準~本人自身も一定の株を持っているか?~

最後に、グループ全体ではなく、その従業員本人(およびその配偶者)だけで、会社の株式の5%を超えて保有しているかを判定します。


 例)社長の息子(従業員)が、個人的に会社の株を6%持っている場合

     →5%を超えているため、この基準もクリア


その1~3をすべて満たした従業員は、税務上の『みなし役員の持ち株要件』を満たしたことになります。

この状態の従業員が、さらに『実質的に会社の経営に従事している(重要な決裁権限があるなど)』と判断されると、晴れて(?)みなし役員と判定されてしまいます。


ここでポイント!

『自分は株を6%しか持っていないから、ただの従業員だ』と思っていても、親族全体で会社の株を過半数持っているような同族会社の場合は、この合算ルールの対象になります。

 


5 . トラブルを防ぐためのポイント

具体的な実務対策
トラブルを防ぐために 目に見えない部分だからこそ難しい判断なのです

みなし役員に関するトラブルを防ぐためには、日頃から以下の点に気をつけることが重要です。


◎安易な肩書きを与えない:実権のない従業員に対し、見栄えをよくするために『専務』や『顧問』といった肩書きを名乗らせるのは避けましょう。


◎経営の権限を明確にする:従業員(特に親族)には、経営の意思決定権限(重要な契約の決裁など)を持たせず、あくまで『一従業員』としての業務範囲にとどめることが大切です。


◎親族の株主構成を確認する:同族会社の場合、誰がどれくらいの株式を保有しているか、確認・整理しておきましょう。



6.まとめ

みなし役員の判定は、『実質的に経営に参加しているか』という目に見えにくい部分が焦点になるため、税務調査でも見解が分かれやすいポイントです。過去には、会社の株式を50%超保有していたにもかかわらず、経営に従事していた証拠が不十分ということで、みなし役員に該当しなかった、という判例もありました。


判定には『誰を親族グループに含めるか』など専門的な知識も必要です。

株主構成が複雑だったり、親族に重要なポジションを任せる場合、あるいは株式を譲渡する際などは、事前に顧問税理士に相談することをおすすめします。


少しでも不安がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください!



ご相談の方は以下よりお問い合わせください。

初回は相談無料となります。


※上記記事は令和8年10月時点の情報に基づいて記載しております。

※上記記事は一般的な内容を記載しているため判断の際は専門家へのご相談をお願い致します。



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