もうすぐ終了!?インボイス「2割特例」の適用期限と、決算期変更を活用した消費税対策を足立区の税理士が解説!
- 3 日前
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インボイス制度の「2割特例」は、免税事業者から課税事業者になった小規模事業者にとって非常に強力な負担軽減策でした。
しかし、2026年(令和8年)現在において、2割特例の終了時期が間近に迫っています。
「いつまで使えるのか」「終わる前にどう対策すべきか」は、多くの中小企業経営者が今まさに直面している課題です。
実務上の具体的な対策を含め、税理士が徹底解説します!
目次
1 . そもそも「2割特例」とは?
①2割特例はどういう計算?
②2割特例を受けられる人は?
2 . 迫るタイムリミット!ついに2割特例が終了へ
①個人事業の期限
②法人の期限
3 .決算期変更で2割特例をギリギリまで延命!
4 . 実際どのくらい税額が変わる?
5 . 2割特例終了後は簡易課税の選択も!
6 . まとめ
1 . そもそも「2割特例」とは?

令和5年10月開始のインボイス制度にともなって導入された「2割特例」は、インボイス登録を機に免税事業者から課税事業者(消費税を納める事業者)になった人のために用意された、非常に強力な負担軽減措置です。
インボイス登録をすると、免税事業者であっても自動的に課税税業者となってしまい税負担が増加する為、急激な税負担の増加を軽減する為に導入されました。
①2割特例はどういう計算?
ざっくり言うと、「売上でもらった消費税の2割だけを国に納めればOK」という特例です。
通常、消費税の計算は「売上で預かった消費税」から「経費で支払った消費税」を差し引いて計算します(原則課税)。
しかし2割特例を使うと、経費がいくらであっても関係なく、売上の消費税の2割を納めるだけで計算が完了します。
【具体例】年間売上:1,100万円(うち消費税100万円)の場合
納める消費税: 100万円 × 20% = 20万円
本来なら経費の消費税を引く計算(原則課税)や、業種ごとの概算(簡易課税)をしなければなりませんが、一律で「売上消費税の2割」に固定されます。
②2割特例を受けられる人は?
この特例は誰でも使えるわけではなく、以下の2つの条件をどちらも満たす人が対象です。
(1)インボイス登録をしたことで免税事業者から課税事業者になったこと
(2)基準期間(2期前)の課税売上高が1,000万円以下であること
インボイス登録に関係なく、2期前の売上が1,000万円を超えて自動的に課税事業者になった場合や、資本金1,000万円以上の新設法人などは、この2割特例を使うことはできません。
2 . 迫るタイムリミット!ついに2割特例が終了へ

インボイス制度を機に課税事業者になった多くの事業者を救ってきた「2割特例」ですが、
これは残念ながら期間限定の経過措置です。
2割特例は、「令和8年9月30日を含む課税期間」まで適用可能で、個人と法人で期限の考え方が少し違います。
終了が目の前に迫っている中、「いつまで使えて、終わったらどうなるのか」を正しく把握していないと、次の決算で予想外の消費税額に驚いてしまうかもしれません。
①個人事業の期限
個人事業の課税期間は1月〜12月で固定のため、令和8年12月末まで(令和8年分の確定申告まで)が2割特例の適用期限です。
ただし個人事業の場合は令和9年分より「3割特例」が開始される予定です。
今回は3割特例についての説明は割愛しますが、軽減措置が割合を変えて継続となる予定です。
ちなみに法人では3割特例の適用はありません。
②法人の期限
決算月によって期限が異なります。法人の場合は、"令和8年9月30日"を跨ぐ事業年度が最後となります。
3月決算:令和8年4月1日 〜 令和9年3月31日(令和9年3月期がラスト)
9月決算:令和7年10月1日 〜 令和8年9月30日(令和8年9月期がラスト)
12月決算:令和7年1月1日 〜 令和8年12月31日(令和8年12月期がラスト)
個人事業と違い3割特例はないので、令和8年9月30日を跨ぐ事業年度が終了した時点で2割特例は終わりです。
そう考えると、9月決算の会社はちょうど令和8年9月30日きっかりで2割特例が終了する為、ちょっともったいない気がしますね...
3 .決算期変更で2割特例をギリギリまで延命!

法人の場合、決算月によって特例が早く終わってしまう会社があります。
例えば「9月決算」の法人は最短の令和8年9月30日で特例が終了し、「10月決算」の法人は令和8年10月31日に終了します。
逆に一番長いのは「8月決算」で、最長の令和9年8月31日で特例が終了します。
決算月がたった1か月違うだけで、2割特例の適用期限が11か月も差が出るのは、さすがにもったいない気がしますよね...
そこで実務上検討したいのが『決算期の変更』です。
本来なら、令和8年9月30日で2割特例が終了し、令和8年10月からは原則課税(または簡易課税)になります。
しかし、もし決算期を「8月」に変更するとどうなるでしょうか?
変更前:令和7年10月1日~令和8年9月30日の事業年度で特例終了
変更後:令和8年 9月1日~令和9年8月31日の事業年度で特例終了
本来の令和7年10月1日~令和8年9月30日の事業年度を、8月決算へと決算期変更を行い、令和7年10月1日~令和8年8月31日の11か月で事業年度を終了させます。
そうすると、適用期限終了の条件となる、"令和8年9月30日を跨ぐ事業年度"が翌期に移動する為、もう1期多く2割特例を引っ張る(延命する)ことができるのです!
本来は令和8年9月30日で2割特例が終了するところを、たった1か月の決算期変更で、11か月分の2割特例の恩恵を受けることができるのです。
個人事業と違い「3割特例」などの新たな軽減措置は法人には無い為、この決算期変更のシミュレーションは非常に重要になります。
4 . 実際どのくらい税額が変わる?

2割特例を適用した場合と原則課税で計算した場合、実際の納税額にどのくらいの差がでるのでしょうか?
実際には会社ごとにもっと細かくシミュレーションが必要ですが、有利になりそうであれば決算期変更の検討も有効です。
【具体例】年間売上3,300万円(うち消費税300万円)で課税仕入1,650万円(うち消費税150万円)の場合
原則課税の納税額:300万円 - 150万円 = 150万円
2割特例の納税額 :300万円 × 20% = 60万円
上記の例だと単純計算で90万円も納税額が少なくなります。
中小零細企業であれば、年間で90万円の差額は非常に大きいと思います。
本来の決算月や経費の金額によって計算結果は大きく異なりますので、シミュレーションはお近くの税理士にご相談してみてください!
5 . 2割特例終了後は簡易課税の選択も!

特例が終了した次の事業年度は、自動的に「原則(本則)課税」になってしまいます。
原則課税:売上の消費税 - 経費の消費税 = 納税額
ただし、次の事業年度が始まるまでに税務署に届出書を提出することで、2割特例と似た「簡易課税」という制度を選択することができます。
簡易課税:売上の消費税 × 業種ごとの一定割合(みなし仕入率) = 納税額
通常(原則課税)の消費税計算は「売上で預かった消費税」から「経費で支払った消費税」の差し引きで計算しますが、簡易課税では経費の消費税を一切無視して、売上だけで納める消費税を計算できるのが最大の特徴でありメリットです。
今回は簡易課税制度の詳細は割愛しますが、例えば飲食店のみなし仕入率は60%、建設業のみなし仕入率は70%なので、売上で預かった消費税の30~40%だけを納めるだけで済みます。
原則課税が有利か簡易課税が有利かは会社によって異なりますので、どちらが有利かのシミュレーションは税理士に必ずやってもらいましょう!
もし「簡易課税」を選択する場合、次の期が始まる前日までに届出書を提出するという絶対的なルールがあります。
タイミングを1日でも逃すと、次の事業年度が丸1年間原則課税での納税になり、大損してしまう可能性があるため非常に注意が必要です。
6 . まとめ
2割特例の終了は全ての中小零細企業にとって大問題です。
経営者にとって決算期変更は「大ごと」に思えますが、定款の一部変更株主総会と税務署への届出だけでできる合法かつ効果的な対策です。
「決算期を変更してでも延命すべきか?」「終了後は簡易課税と本則課税のどちらが得か?」は、過去の売上や経費のデータをもとにシミュレーションしなければ答えが出ません。
不安な経営者様は、手遅れになる前にぜひ税理士へご相談ください!
ご相談の方は以下よりお問い合わせください。
初回は相談無料となります。
※上記記事は令和8年7月時点の情報に基づいて記載しております。
※上記記事は一般的な内容を記載しているため判断の際は専門家へのご相談をお願い致します。



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