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年収の壁が178万円に引き上げられて何が変わる!?恩恵や実際の税額への影響を足立区の税理士が解説!

  • hsatou0
  • 1月9日
  • 読了時間: 7分

令和8年度税制改正により、年収の壁が178万円に引き上げられる見通しです。

そもそも年収の壁とはなんなのか?誰にどんな影響があるのか?

様々ある年収の壁や実際の影響額等について、税理士が徹底解説します!


目次

1 . 年収の壁とは?

 ①年収の壁には"所得税"と"社会保険"の2つが存在する

 ②年収の壁には"本人"と"扶養"の2つが存在する

2 . 178万円に引き上げられて何が変わる?

 ①基礎控除が現行の58万円から62万円に引き上げ+特例

 ②給与所得控除の最低保障額が現行の65万円から69万円に引き上げ+特例

 ③配偶者控除や扶養控除等の所得判定基準は4万円の引き上げ

3 . 具体的にいくら税金が減るの?

4 . 社会保険の扶養の壁は変わらず...

5 . まとめ


1 . 年収の壁とは?

年収の壁とは?

年収の壁とは、本人の税金や社会保険料の負担がかからない年収のラインや、配偶者や親族の扶養内でいられる年収のラインなど、幅広く使われている言葉です。


多くのパートやアルバイトで働く人はこの壁を意識していることが多いです。


この年収の壁を超えることで、本人の所得税や社会保険料が発生して手取り額が減少してしまう等の可能性があり、働き損にならないように、働き方を調整して壁を超えないようにしているのです。


これがいわゆる"働き控え"というやつです。


①年収の壁には"所得税"と"社会保険"の2つが存在する

今回の令和8年度税制改正で変更があるのは、"所得税"に対する年収の壁です。


本人の所得税が発生しない年収ラインが現行の160万円から178万円に引き上げられます。


社会保険の壁に変更はない為、勘違いしないように注意が必要です。

詳しくは後述します。


②年収の壁には"本人"と"扶養"の2つが存在する

今回の令和8年度税制改正で178万円に引き上げられた年収の壁は、給与所得者"本人"の所得税が発生する年収ラインです。


扶養(配偶者控除や扶養控除)の範囲内の金額が178万円に引き上げられる訳ではないので注意しましょう。


ただし、上記に伴い扶養(配偶者控除、扶養控除)の対象の所得要件も4万円引き上げられる見通しです。


給与収入でいうと、年収136万円以下であれば配偶者控除や扶養控除を満額受けられる見通しです。


136万円超178万円以下の給与収入である場合、本人の所得税は発生しませんが、配偶者控除や扶養控除の対象から外れてしまう可能性があることは理解しておきましょう。



2 . 178万円に引き上げられて何が変わる?

具体的な改正点として、基礎控除と給与所得控除の引き上げになります。

(基礎控除と給与所得控除の詳細はこちらの記事をご覧ください。)



この2つの引き上げにより、本人の所得税が発生しない年収ラインが178万円までと引き上げられました。


178万円までは本人の所得税が発生しない為、所得税を意識した働き控えが解消されることが期待されていると共に、低~中間所得者層の減税効果を大きくしています。


①基礎控除が現行の58万円から62万円に引き上げ+特例

令和8年分から基礎控除の金額が4万円UPの62万円に引き上げられます。(給与収入2,545万円以下のみ)


さらに特例措置として、令和8年と令和9年の2年間は、給与収入665万5,556円以下の人はプラス42万円給与収入665万5,556円超850万円以下の人はプラス5万円上乗せ措置があります。


まとめると以下の表のようになります。(年収2,595万円超は割愛しています)

給与収入(年収)

基礎控除額

令和7年分

令和8~9年分

200万3,999円以下

95万円

104万円

200万3,999円超~475万1,999円以下

88万円

475万1,999円超~665万5,556円以下

68万円

665万5,556円超~850万円以下

63万円

67万円

850万円超~2,545万円以下

58万円

62万円

2,545万円超~2,595万円以下

48万円


②給与所得控除の最低保障額が現行の65万円から69万円に引き上げ+特例

令和8年分から給与所得控除の最低保障額が4万円UPの69万円に引き上げられます。(給与収入220万円以下のみ)


さらに特例措置として、令和8年と令和9年の2年間は、給与収入220万円以下の人はプラス5万円上乗せ措置があります。


まとめると以下の表のようになります。

給与収入(年収)

給与所得控除額

令和7年分

令和8~9年分

162万5,000円以下

65万円

(最低保障額)

74万円

(最低保障額)

162万5,000円超~180万円以下

180万円超~190万円以下

190万円超~220万円以下

収入金額×30%+8万円

220万円超~360万円以下

収入金額×30%+8万円

360万円超~660万円以下

収入金額×20%+44万円

660万円超~850万円以下

収入金額×10%+110万円

850万円超

195万円


③配偶者控除や扶養控除等の所得判定基準は4万円の引き上げ

上記1- ② で解説した通り、配偶者控除や扶養控除等の範囲内となる所得要件についても、今回の改正に伴い4万円引き上げられる見通しです。


他にも、障害者控除や寡婦控除、ひとり親控除の対象となる親族の所得要件についても同様で、4万円引き上げられる見通しです。


この各種控除を受けられる年収ラインは178万円ではないので注意しましょう。



3 . 具体的にいくら税金が減るの?

年収の壁が178万円に引き上げられたことにより、具体的にどのくらい所得税が減るのでしょうか?

次の表は、令和7年の税額と令和8年の税額を比較したものです。

なお、基礎控除と給与所得控除以外の所得控除等は一切考慮していません。

(実際は社会保険料控除等があるので、この表通りにはなりません。あくまで差額の参考程度としてご確認ください。)

年収(万円)

令和7年 所得税(円)

令和8年 所得税(円)

税額差(円)

178

9,000

0

▲9,000

200

18,500

11,000

▲7,500

300

57,000

49,000

▲8,000

400

94,000

86,000

▲8,000

500

190,500

154,500

▲36,000

600

308,500

236,500

▲72,000

700

486,500

478,500

▲8,000

800

666,500

658,500

▲8,000

900

866,500

858,500

▲8,000

1,000

1,082,100

1,072,900

▲9,200

1,200

1,591,410

1,575,900

▲15,510

1,400

2,249,100

2,235,900

▲13,200

1,600

2,909,100

2,895,900

▲13,200

1,800

3,569,100

3,555,900

▲13,200

2,000

4,229,100

4,215,900

▲13,200

こう見ると、年収500~600万円の人の減税効果が大きく見られます。


また、大した差額でないように感じるかもしれませんが、令和7年度税制改正により令和7年も基礎控除と給与所得控除が引き上げられているので、令和6年の所得税と比較したらさらに差額は大きくなります。



4 . 社会保険の扶養の壁は変わらず...

社会保険の壁は変わらず...

ここまで所得税の年収の壁について解説をしました。

減税効果により、足元の物価高対策には期待が持てるかもしれません。


ですが、実際に多くの人が一番気にしている壁は、"社会保険の扶養"の壁です。


現行の制度だと、年収106万円(従業員数50人以下の企業の場合は130万円)以内であれば家族の扶養に入ることができ、本人は社会保険の負担をする必要がありません。

※その他細かい要件はありますが詳細は割愛しています。


ですが、年収106万円(または130万円)を超えると、社会保険の扶養から外れ、本人が何らかの社会保険に加入しなければなりません。


この社会保険の扶養の壁の金額に変更はなく、むしろこの壁を低くしていこうという動きがある状況です。


所得税よりもこの社会保険の負担の方が何倍も大きい為、結局はこの壁を意識して働く人は変わらず、働き控えの解消にはならないと言われています。


所得税の減税効果には期待できますが、社会保険の存在により、労働人口を増やすといった根本的な解決にはならないと考えています。



5 . まとめ

年収の壁が178万円に引き上げられたことにより、低~中所得者層の減税効果に期待が持てる一方で、社会保険の扶養の壁の存在により、働き控えの解決は少しい遠いと感じています。


また、配偶者控除や扶養控除等の所得要件が178万円に引き上げられた訳ではない点にも注意が必要です。


令和7年から立て続けに基礎控除と給与所得控除が引き上げられている為、令和8年は令和6年と比較して減税効果を大きく感じられるのではないでしょうか。


※本記事は「令和8年度税制改正大綱」に基づき作成しています。

 国会での法案成立を経て正式に決定されます。



ご相談の方は以下よりお問い合わせください。

初回は相談無料となります。


※上記記事は令和8年1月時点の情報に基づいて記載しております。

※上記記事は一般的な内容を記載しているため判断の際は専門家へのご相談をお願い致します。



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