海外在住者への支払いがある場合に注意!源泉所得税の注意点を足立区の税理士が解説!
- 6月12日
- 読了時間: 5分
インターネットの普及やリモートワークの定着により、海外に住むフリーランスにデザインやシステム開発を依頼したり、海外企業にコンサルティングを依頼したりするケースが増えています。
しかし、ここで非常に多くの方が陥りやすい税務上の落とし穴があります。
それが「非居住者(海外在住者)に対する源泉所得税」です。
「海外の人への支払いだから、日本の税金は関係無いだろう」と思い込んでいると、後日、税務調査で多額のペナルティ(不納付加算税や延滞税)を請求される可能性があります。
今回は、海外在住者へ支払いを行う際に必ず知っておくべき源泉所得税の注意点について、分かりやすく解説していきます!
目次
⒈そもそも「非居住者」とは?
⒉どんな支払いに源泉徴収が必要(国内源泉所得)?
⒊源泉徴収の税率は原則「20.42%」
⒋最重要!「租税条約」による免除・減税の活用
⒌納付の期限と方法
⒍まとめ:海外取引が始まったら早めに専門家へ相談を!
⒈そもそも「非居住者」とは?

日本の税法上、個人は、「居住者」と「非居住者」に分けられます。
居住者:日本国内に「住所」があるか、または現在まで引き続いて1年以上「居所」がある個人。
非居住者:上記の「居住者」以外の個人(=原則として、海外に1年以上住んでいる人)。
また、海外に本店や主たる事務所がある法人は、「外国法人」と呼びます。
今回は、個人の「非居住者」や「外国法人」への支払いを前提に解説していきます。
⒉どんな支払いに源泉徴収が必要(国内源泉所得)?

海外在住者へのすべての支払いに源泉徴収が必要なわけではありません。
日本の源泉徴収の対象となるのは「国内源泉所得(日本国内で生じた所得)」に該当する場合のみです。
特によくあるケースとして、以下の支払いには注意が必要です。
著作権や特許権などの使用料(ロイヤリティ)
海外のデザイナーにロゴやイラストを作成してもらい、その著作権を使用する場合など。
人的役務の提供に対する報酬
日本国内で行われたコンサルティング、システム開発、デザイン業務など。
※ただし、業務自体が海外で行われている場合は、対象外となるケースが多いですが、成果物が日本で使用されるロイヤリティとみなされる場合は課税対象になるため、契約内容の確認が必要です。
日本国内の不動産の賃貸料や譲渡代金
日本法人の役員としての報酬(海外在住であっても課税対象です)
⒊源泉徴収の税率は原則「20.42%」

非居住者や外国法人に対して、上記のような源泉徴収対象となる支払いを行う場合、支払額に対して原則として20.42%の源泉所得税(復興特別所得税含む)を天引きしなければなりません。
【計算例】 海外のデザイナーに10万円の著作権使用料を支払う場合
源泉徴収税額:100,000円 × 20.42% = 20,420円
相手への実際の支払額:100,000円 - 20,420円 = 79,580円
相手と「手取りで10万円支払う」という契約をしている場合は、支払金額を逆算(グロスアップ)して源泉徴収額を計算する必要があるため注意が必要です。
⒋最重要!「租税条約」による免除・減税の活用

「20.42%も引かれたら、海外の取引先が納得してくれない!」と思われる方も多いでしょう。
そこで重要になるのが「租税条約」です。
日本と相手国との間に租税条約が結ばれている場合、一定の要件を満たすことで、源泉所得税の税率が軽減されたり、免除(0%)されたりします(アメリカ合衆国・イギリス・中国など、多くの主要国と条約を結んでいます)。
⚠️ ここが落とし穴!「事前の届出」が必須です
租税条約の適用を受けるためには、支払いを行う日の前日までに、相手方から「租税条約に関する届出書」を受け取り、日本の税務署へ提出しておく必要があります。
届出書の提出を忘れて支払いを完了してしまうと、原則どおり20.42%の源泉徴収義務が発生してしまいます。
事後手続きで還付を受けることも可能ですが、手続きが非常に煩雑になるため、必ず「支払い前」に届出書を準備しましょう。
⒌納付の期限と方法

非居住者から源泉徴収した所得税は、支払った月の翌月10日までに日本の税務署へ納付する必要があります。
※従業員の給与などで「源泉所得税の納期の特例(年2回納付にできる制度)」の承認を受けている場合でも、非居住者への支払いは特例の対象外となるケース(著作権使用料など)が多いため、原則通り翌月10日納付となる点に十分気をつけてください。
⒍まとめ:海外取引が始まったら早めに専門家へ相談を!
海外在住のフリーランスや外国法人との取引は、国内取引とは全く異なる税務ルールが適用されます。
①支払内容が「国内源泉所得」に該当するか確認する
②相手の居住国と日本の間に「租税条約」があるか確認する
③支払い前に「租税条約に関する届出書」を提出する
源泉徴収の漏れは、支払う側の企業(または個人事業主)が、ペナルティを被ることになります。
相手が海外にいるため、後から「税金を納め忘れたので返金してほしい」とお願いしても、トラブルになるケースがほとんどです。
足立区周辺で海外企業や海外在住フリーランスとの取引を検討されている経営者様・個人事業主様は、トラブルを未然に防ぐためにも、ぜひ一度お近くの税理士にご相談ください!
ご相談の方は、以下よりお問い合わせください。
初回は、相談無料となります。
※上記記事は、令和8年5月末時点の情報に基づいて記載しております。
※上記記事は、一般的な内容を記載しているため、判断の際は、専門家へのご相談を
お願い致します。



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