top of page

10~20万円の資産は一括償却資産で処理しろ!オススメの理由は?少額減価償却資産との違いは?足立区の税理士が解説!

10万円以上の備品等を購入した場合、固定資産として計上する必要がありますが、固定資産の計上法にもいくつか種類があります。

基本的には3パターンの方法から選択することになりますが、どれか有利かはその会社の利益状況等によって変わります。

今回は一押しの「一括償却資産」にフォーカスして説明します!


1. 固定資産の計上方法

固定資産の計上方法

10万円以上の備品等を購入した際は固定資産として計上する必要がありますが、基本的には以下の3パターンから計上方法を選択することになります。

それぞれメリットデメリットがあるため、状況に応じて使い分ける必要があります。

みなさんは最適な方法を選択していますか?


①通常の固定資産

(1)概要

通常の固定資産として計上して減価償却をする方法です。

30万円以上の資産については強制的にこの方法のみとなります。

基本的には法定耐用年数を使用して減価償却を行うため、経費化するのに一番時間がかかる方法と言えるでしょう。パソコンであれば4年、美容器具等であれば5年となります。

ただし、中古資産の場合は耐用年数を短くでき、さらに定率法を使用すれば、最短1年で全額を経費化することも可能です。

(2)こんな会社にオススメ

今期はなるべく経費を増やしたくない、来期以降の方がもっと利益が出るかも、といった会社にはオススメです。


②少額減価償却資産

(1)概要

全額をその期の経費に計上する方法です。

青色申告をしている中小企業者で、30万円未満の資産であれば選択可能です。

30万円未満であれば、耐用年数に関係なく全額をすぐに経費化することができるため、節税効果が高いのが特徴です。

なお、この制度が使えるのは年間で合計300万円までとなるので、超えた分は使えません。

(2)こんな会社にオススメ

今期とんでもなく利益が出てしまった、とにかく税金を抑えたい、節税したい、来期は赤字になりそう、といった会社にオススメです。


③一括償却資産☆

(1)概要

3年間で均等に経費に計上する方法です。

20万円未満の資産であれば選択可能です。

法定耐用年数に関係なく3年間で経費化するため、通常の固定資産より耐用年数が短めになることが多いです。

また、この処理を選択した資産は個別に減価償却の計算をすることはなく、年ごとに一括して計算するため、月割りという考え方はありません。

期首に取得しても期末に取得しても、その年の経費にする金額は同じになるというのが特徴です。(その金額をその年から3年間で経費にするだけ。)

(2)こんな会社にオススメ

毎期安定して利益が出ている、来期も同じくらい利益が出そう、経費を増やしたくないが税金も抑えたい、といった会社にオススメです。


2. なぜ一括償却資産がオススメなのか?

なぜ一括償却資産がオススメ?

20万円未満の資産について一括償却資産での処理を選択すれば、無条件で3年間で経費化することができます。

少額減価償却資産に比べると節税効果が薄いように感じますが、他にどんなメリットがあるのでしょうか。


①償却(固定)資産税の対象にならない

一番の大きな違いは、償却(固定)資産税の対象外ということです。

償却資産税とは、事業用の固定資産(土地や車は除く)にかかる税金のことで、評価額の1.4%が毎年課税されます。

一括償却資産以外の資産については、基本的にこの償却(固定)資産税の対象となりますが、一括償却資産の場合は全て対象外となるのが魅力です。

1.4%なら大したことないだろうと思うかもしれませんが、20万円未満の備品を数多く購入される会社からしたら、この1.4%が意外と馬鹿になりません。しかも毎年かかります。


②期末に購入しても1/3が経費になる

3年間で均等に経費にするということは、1年あたりの経費化の金額はどれも同じになります。

つまり、期末ギリギリに取得しても1/3が経費になるので、地味に節税の効果としても期待できます。

通常の固定資産だと月割りで減価償却をするため、決算月に購入しても経費にできるのは1か月分のみです。


③安定する

新規事業を立ち上げたときや設備投資を行うときは、事業が安定しなかったり先が読めない時があります。今期は赤字だけど来期は黒字になるかもといった状況の時にも、3年間で均等に経費にすることにより、経費の2/3を来期に繰り越せますし減価償却費の金額も安定します。

また、税金は抑えたいが金融機関の評価も上げたいといった時にも、節税効果と決算書の見栄えの両方を維持することが可能です。


3. 一括償却資産のデメリットは?

一括償却資産のデメリットは?

強いてデメリットを挙げるとすれば、個別に除却処理ができないという点です。

一括償却資産は個別で計算をしていないため、一度3年間の均等償却を始めると、途中で資産を除却や破棄したとしても、償却し切るまでその償却が止まることはありません。

実際には手元にない資産でもそのまま償却が続くためギャップを感じるかもしれませんが、裏を返せば安定することにも繋がります。


4. 迷ったら一括償却資産を選ぼう!

処理に悩んだ場合、とりあえず一括償却資産を選ぶのが無難です。

800万円以上の利益が出ている時は税率も上がるため検討が必要ですが、3年間のトータルで見たら償却資産税もかからない一括償却資産がオススメです。


5. まとめ

会社の方針や資金状況によってもどの処理にするかを決める必要があるため、きちんと事前に相談してくれる税理士に頼むことも大切です。

迷ったり不安に感じたら近くの税理士に相談してみましょう!



ご相談の方は以下よりお問い合わせください。

初回は相談無料となります。


※上記記事は令和6年9月時点の情報に基づいて記載しております。

※上記記事は一般的な内容を記載しているため判断の際は専門家へのご相談をお願い致します。






閲覧数:94回0件のコメント

Comments


bottom of page