贈与税の申告書(暦年贈与)の作成方法を足立区の税理士が解説!
- hsatou0
- 10月3日
- 読了時間: 5分
「財産を贈与した・受け取った」際、気になるのが贈与税ですよね。
贈与税の基本的な仕組みである暦年贈与は、年間110万円までの非課税枠が魅力ですが、この枠を超えると申告が必要です。
足立区で活動する税理士として、今回は、「暦年贈与」における贈与税申告書の作成方法を解説していきます。
目次
⒈暦年贈与とは?改めて基本を確認
⒉贈与税申告書【第一表】の書き方ガイド
⒊申告書の提出と注意点
⒋まとめ
⒈暦年贈与とは?改めて基本を確認

贈与税の「暦年課税」は、1月1日から12月31日までの1年間に贈与された財産の合計額に対して課税される制度です。
最大のポイントは、受贈者(贈与を受けた人)一人あたり年間110万円の**基礎控除(非課税枠)**があることです。
贈与財産の合計額が110万円以下:原則として申告の必要はありません。
贈与財産の合計額が110万円超:贈与税の申告が必要です。
この基礎控除を、毎年、活用する形で、計画的に財産を移転していくのが「暦年贈与」の大きな特徴です。
⒉贈与税申告書【第一表】の書き方ガイド

贈与税の申告書は、主に**「第一表」と「第一表の二」「第二表」などから構成されていますが、暦年贈与で基礎控除のみを適用する場合、基本は「第一表(兼贈与税の額の計算明細書)」を使用します。
申告書は、国税庁のウェブサイトからダウンロードできますし、税務署でも入手可能です。
⑴申告者(受贈者)と贈与者の基本情報
申告書の最も上の欄に、以下の情報を正確に記入します。
記入項目 | 内容 | 💡 ポイント |
税務署名・提出年月日・年分 | 申告者の住所地を所轄する税務署名、提出する日付、「令和〇〇年分」の年分(贈与を受けた年)を記入します。 | 申告者の住所が足立区であれば、所轄の税務署名は**「足立税務署」**となります。 |
申告者(受贈者)情報 | 申告する人(贈与を受けた人)の住所、氏名、マイナンバー(個人番号)、生年月日、職業などを記入します。 | 贈与税を納税するのは、財産を受け取った受贈者です。 |
贈与者情報 | 贈与をした人(お金などをあげた人)の住所、氏名、生年月日を記入します。 |
|
続柄 | 申告者(受贈者)から見た贈与者の続柄を記入します(例:父、母など)。 |
|
⑵贈与財産の内容(詳細)
贈与財産の種類」「所在場所等」「財産の価額」などを記入します。
記入項目 | 内容 | 💡 ポイント |
財産の種類・細目 | 現金、預貯金、株式、不動産など、受け取った財産の種類を具体的に記入します。 | 現金・預貯金であれば、「現金」・「普通預金」など。 |
所在場所等 | 現金や預貯金の場合は、贈与者の住所や金融機関の所在地・名称を記入します。不動産の場合はその所在地を記入します。 |
|
財産の価額 | 贈与を受けた時点での財産の評価額を記入します。現金の価額は、そのままの金額です。 | 土地や建物は固定資産税評価額を基に評価するなど、財産の種類により評価方法が異なります。専門的な評価が必要な場合は、税理士にご相談ください。 |
⑶課税価格の計算
申告書の指示に従って、贈与財産の合計額から基礎控除額を差し引いていきます。
① 特例贈与財産の総額(①欄)と一般贈与財産の総額(②欄)をそれぞれ記入します。
・特例贈与財産:直系尊属(父母や祖父母)から、その年の1月1日現在で18歳以上 の者への贈与
・一般贈与財産:上記以外の贈与(兄弟姉妹間、夫婦間など)
② 「暦年課税の対象となる贈与財産の合計額」(④欄)を求めます(①欄+②欄)。
③ ④欄の合計額から基礎控除額 110万円(⑥欄)を差し引き、「課税価格」(⑦欄)を算 出します。
・もし、④欄が110万円以下であれば、⑦欄は0円です。
⑷贈与税額の計算と納付税額
① ⑦欄の課税価格に基づき、所定の税率をかけて「贈与税額」を計算します(税率は特 例贈与と一般贈与で異なります)。
② その結果、「納付すべき税額」(㉒欄)が確定します。
⒊申告書の提出と注意点

提出期限と提出先
提出期限:贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までです。
提出先:申告者(受贈者)の住所地を所轄する税務署です。
添付書類(主なもの)
申告書には、以下の書類を添付する必要があります。
① 受贈者のマイナンバー(個人番号)確認書類と身元確認書類(運転免許証など)の写し
② 贈与を受けた財産に関する書類(預金通帳のコピー、不動産の登記事項証明書、固定 資産税評価証明書など)
申告書の作成は、国税庁HPの「確定申告書等作成コーナー」が便利!
国税庁のウェブサイトにある「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、案内に沿って金額を入力するだけで申告書を作成できます。
作成した申告書は、e-Taxで提出したり、印刷して郵送・持参したりできます。
⒋まとめ
今回は、贈与税の申告書(暦年贈与)の作成方法について、解説しました。
「110万円を超えたから申告書を作らなきゃいけないけど、自分でやるのは不安…」と感じたら、ぜひ税理士にご相談ください。
特に、以下のようなケースでは、専門家のサポートが重要になります。
財産の評価が難しい場合:非上場株式や土地などの評価は、専門知識が必要です。
特例の適用を受ける場合:「住宅取得等資金の非課税の特例」など、特例の適用には、 申告書以外に複雑な添付書類が必要になります。
相続も見据えた贈与計画:単に、贈与税を払うだけでなく、将来の相続税対策までを 考慮したトータルなアドバイスが可能です。
贈与税の申告は、将来的な相続税の課税にも関わる重要な手続きです。
正確な申告のためにも、足立区の皆様の財産をサポートする税理士として、いつでもご相談をお待ちしております!
ご相談の方は、以下よりお問い合わせください。
初回は、相談無料となります。
※上記記事は、令和7年10月時点の情報に基づいて記載しております。
※上記記事は、一般的な内容を記載しているため、判断の際は専門家へのご相談をお願い 致します。



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