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ガソリン税の代わりに走行距離税が導入される!?あなたのクルマの維持費はどう変わる?足立区の税理士が解説!

  • hsatou0
  • 9月5日
  • 読了時間: 6分

「ガソリンがどんどん高くなる…」「クルマに乗るたび、ガソリン代が気になって仕方ない」そう感じている方も多いのではないでしょうか。


実は、私たちのクルマの維持費に大きな影響を与えるかもしれない、ある税金の改革が議論されているのをご存知でしょうか?


それは、「ガソリン税を廃止して、走行距離税を導入する」というものです。


なんだか難しそうな話ですが、簡単に言えば、「ガソリンをたくさん買う人(=たくさん運転する人)から税金を取る」というこれまでの仕組みから、「クルマを運転した走行距離に応じて税金を取る」という新しい仕組みに変わる可能性がある、ということです。


もし、本当に走行距離税が導入されたら、私たちのカーライフはどう変わるのでしょうか?


今回は、この新しい税金のメリットとデメリット、そして私たちへの影響について、税理士が分かりやすく解説します!



目次

⒈ そもそも「ガソリン税」ってどういう税金?

⒉ なぜ、今「走行距離税」が議論されているの?

⒊ 走行距離税のメリット・デメリット

⒋ あなたのクルマの維持費はどう変わる?

⒌ まとめ


⒈ そもそも「ガソリン税」ってどういう税金?

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「ガソリン税」とは、正確には「揮発油税」と「地方揮発油税」という2つの国税を合わせた総称です。


私たちがガソリンスタンドで給油する際、ガソリン代の一部として間接的に支払っている税金です。


ガソリン税の仕組みと特徴

①「ガソリンを製造・輸入する企業」が納税義務者

私たち消費者が直接、税務署にガソリン税を納めるわけではありません。

ガソリン税は、石油メーカーなどが、ガソリンを出荷する際に納税します。

しかし、その税金分は、最終的にガソリンの価格に上乗せされているため、実質的な負

担者は私たち消費者となります。  

このような税金のことを「間接税」と呼びます。


②道路整備のための「特定財源」だった

ガソリン税は、もともと「道路特定財源」として、道路の建設や維持管理に充てること を目的としていました。

しかし、2009年にこの制度が廃止され、現在は、道路整備だけでなく、さまざまな用途 に使える「一般財源」となっています。

それでも、税収の多くは、引き続き道路関連のインフラ整備に使われています。


③「暫定税率」の上乗せ

現在のガソリン税には、本来の税率に加えて「暫定税率」が上乗せされています。

これは、過去のオイルショックや道路整備の財源不足を補うために、一時的な措置とし て導入されたものです。

しかし、50年以上にわたって維持されており、事実上恒久的な税金となっています。


④ 「二重課税」問題

ガソリン価格には、ガソリンの本体価格にガソリン税が加わり、その合計額に対してさ らに消費税が課税されます。

つまり、「ガソリン税という税金に、さらに消費税がかけられている」状態であり、この 点が、「二重課税」としてしばしば問題視されます。

  ただし、国の見解としては、ガソリン税は商品の製造コストの一部とみなされるため、 二重課税ではないとされています。


このように、ガソリン税は、単にガソリン代に上乗せされているだけでなく、その徴収の仕組みや使い道、そして複雑な税率の背景など、知っておくと興味深い特徴を持つ税金です。


そして、このガソリン税の仕組みが、電気自動車の普及に伴う「走行距離税」の議論へとつながっているのです。


⒉ なぜ、今「走行距離税」が議論されているの?

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現在の日本のクルマ関連の税金は、主にガソリンにかかる「ガソリン税」や、クルマの排気量に応じてかかる「自動車税」など、ガソリン車を前提としたものがほとんどです。


しかし、近年は、電気自動車(EV)や水素自動車など、ガソリンを使わない車がどんどん増えてきています。


これらのクルマは、ガソリンを一切使わないため、ガソリン税を払うことがありません。


そのため、ガソリン税を主な財源としている道路の維持・整備費用が、将来的に不足するのではないかという懸念が出てきました。


そこで、「種類にかかわらず、道路を使うすべてのクルマから公平に税金を徴収しよう」という考えから、「走行距離税」が、議論されているのです。


⒊ 「走行距離税」のメリット・デメリット

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この新しい税金には、それぞれ、メリットとデメリットがあります。


<メリット>

①公平な負担

ガソリン車だけでなく、電気自動車(EV)やハイブリッド車など、すべてのクルマが走 行距離に応じて税金を払うことになります。

これにより、特定の車種だけが優遇されることなく、道路を使う人全体で公平に費用を 負担できます。


②道路利用の抑制

「走れば走るほど税金がかかる」となれば、不要な運転を控える人が増えるかもしれませ ん。これにより、交通渋滞や大気汚染の緩和にもつながる可能性があります。


税収の安定化

ガソリン価格やクルマの燃費性能に左右されることなく、クルマの走行距離という客観的なデータに基づいて税金を徴収できるため、税収が安定しやすくなります。



<デメリット>

①地方や遠距離通勤者への負担増

公共交通機関が発達していない地方では、クルマが生活の足として欠かせません。

 また、毎日、長距離を運転して通勤する方もいます。

このような方々は、走行距離がどうしても長くなるため、税金の負担が大幅に増えてし まう可能性があります。


②プライバシーの問題

走行距離を正確に把握するためには、クルマの走行データを国が管理する必要が出てき ます。

「いつ、どこを、どれだけ走ったか」という情報が把握されることになり、プライバシ ー 侵害につながるのではないかという懸念があります。


導入・維持のコスト

 走行距離を正確に測定・管理するためのシステムを全国規模で構築・運用するには、莫 大なコストがかかります。

また、不正なデータ改ざんを防ぐための対策も必要になります。


⒋ あなたのクルマの維持費はどう変わる?

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では、実際に走行距離税が導入されたら、あなたの家計はどうなるのでしょうか?


<たくさん運転する人>

  地方に住んでいる方や、仕事で毎日、長距離を運転する方は、ガソリン税よりも税金の 負担が増える可能性が高いです。


<あまり運転しない人 > 

近所の買い物や週末のレジャーなど、限定的にしかクルマを使わない方は、ガソリン   税よりも税金の負担が軽くなるかもしれません。


電気自動車(EV)のオーナー >

現在、ガソリン税を払っていないEVオーナーは、走行距離税が導入されると新たに税金 を払うことになります。


⒌ まとめ

「走行距離税」は、あくまでも議論の段階であり、すぐに導入されるわけではありません。しかし、私たちのカーライフを大きく変える可能性を秘めたこの税金について、今後も動向を注視していく必要があります。

「クルマを持つ」ということの意味が、ガソリン車からEVへの移行だけでなく、税金のあり方によっても大きく変わろうとしています。

あなたはこの「走行距離税」導入について、どう考えますか?

ぜひ、コメント欄で意見を聞かせてください!



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※上記記事は令和7年9月時点の情報に基づいて記載しております。

※上記記事は一般的な内容を記載しているため判断の際は専門家へのご相談をお願い致します。







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