金(ゴールド)投資の税金は"持ち方"で決まる!?現物・投資信託・ETF・純金積立の税制の違いを足立区の税理士が解説!
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金(ゴールド)は「守りの資産」として人気ですが、実は"どうやって持つか"によって税金の計算方法がガラリと変わります。
もちろん個人の状況やニーズに応じてメリット・デメリットあるため、一概に優劣を示すことはできませんが、今回は「現物(金地金)」「投資信託」「ETF」「純金積立」の4つの税金計算の違いを解説します。
これらの税金計算の違いを正しく理解した上で、自分に合う金(ゴールド)投資をしてみましょう!
なお、金(ゴールド)の基本的な税金について知りたい方はこちらの記事で詳しく解説していますので是非確認してください。
目次
1 . 「金投資」は税金のルールが2つある!
2 . 現物・純金積立のメリット
①年間50万円の特別控除
②保有期間が5年超なら優遇
3 . 現物・純金積立のデメリット
①総合課税なので他の所得と合算
②原則は確定申告が必要
4 . 金ETF・投資信託のメリット
①NISAの活用
②損益通算ができる
③一律20.315%の税率
5 . 金ETF・投資信託のデメリット
①利益の全額に税金がかかる
②人によっては税率が高くなる
③運用コストがかかる
6 . 税金のシミュレーション
①給与所得200万円で短期保有の場合
②給与所得700万円で短期保有の場合
③給与所得700万円で長期保有の場合
7 . まとめ
1 . 「金投資」は税金のルールが2つある!
金に投資する方法はいくつかありますが、税務上は大きく2つのグループに分かれます。
グループA:現物・純金積立(自分で金の「現物」を持つ、または積み立てる)
グループB:投資信託・金ETF(証券口座を通じて「証券」として持つ)
"現物"は文字通り金の延べ棒や金貨等を購入して自身で保有することです。"純金積立"は金を毎月一定額ずつ積み立てて保有することで、実物は証券会社などが代わりに保管してくれることが多いです。
"投信信託"は金価格と連動する投資信託で、一般的な投資信託と同じようにタイミングを見ながら売買したり、毎月つみたてをしたりすることも可能です。"金ETF"は金価格に連動する上場投資信託で、証券口座を通じて少額かつリアルタイムでの売買が可能です。
これらの税制の違いを知らずに売却すると、「50万円の控除が使えない!」「他の株の赤字とぶつけられない!」といった想定外の税金を払う羽目になってしまうかもしれません。
グループAとBのざっくりとした税制の違いを見てみましょう。
現物・純金積立 | 投資信託・金ETF | |
課税方法 | 譲渡所得(総合課税) | 譲渡所得(分離課税) |
税率 | 5~45% | 一律20.315% |
確定申告の要否 | 原則必要 ※課税所得が発生しない場合は不要 | 原則不要 ※特定口座(源泉徴収あり)以外の口座の場合は必要 |
特記事項 | 譲渡益から50万円(特別控除)が差し引ける。 保有期間が5年超だと課税所得が1/2になる。 総合課税のため他の所得と合算して申告する必要あり。 | 特定口座(源泉徴収あり)の場合は申告が不要。 他の株式や投資信託との損益通算が可能。 NISAでの購入も可能。 |
結論、どちらがオススメかは以下の様に考えられます。
・少額をコツコツ持ち、50万円以内に抑えながら利確をしたい人:現物・純金積立
・既に証券口座があり、株の損益と合わせたりNISAを使いたい人:金ETF・投資信託
その理由は以下で詳しく解説していきます!
2 . 現物・純金積立のメリット

個人の状況によってメリット・デメリットはありますが、現物・純金積立の大きな強みは"年間50万円の特別控除"と"長期保有の1/2"です。
①年間50万円の特別控除
現物や純金積立の場合、最も大きなメリットは"年間50万円の特別控除"です。
計算式:
(売却価格 - 購入価格 - 売却費用)- 50万円 = 課税所得
つまり、譲渡益(利益)が50万円以下であれば課税所得が0円となり、非課税となります。
この場合、確定申告も不要です。(他に所得がない場合に限る。)
②保有期間が5年超なら優遇
さらに、保有期間が5年を超えていると、課税所得が"半分"になります。
・5年以内(短期): 譲渡益 - 50万円 = 課税所得
・5年超(長期) :(利益 - 50万円)× 1/2 = 課税所得
利益が50万円以下なら税金はゼロになるので、少額投資や長期保有目的なら現物が有利になるケースが多いかもしれません。
3 . 現物・純金積立のデメリット
現物・純金積立の最大のデメリットは"総合課税"となることで確定申告も必要になります。
①総合課税なので他の所得と合算
現物・純金積立の譲渡益は"総合課税"となり、給与などの他の所得と合算して確定申告をする必要があります。
他の所得と合算した上で、5~45%の所得税が課されます。
所得税は"超過累進税率"で所得が高くなるにつれて税率が段階的に上がっていく為、譲渡益以外の元の所得が高い人は、金の譲渡益もその高い税率がかかってしまう可能性があります。
例えば、給与所得が700万円の人は所得税率が23%のラインなので、金の譲渡益で課税所得が発生した場合は、実質的に23%の所得税が課される計算になります。
さらに、ここに"住民税の10%"も課される為、実質的には15~55%の税率がかかることになります。
なお、もし譲渡損が発生してしまった場合でも、その損失を譲渡所得以外の他の所得と相殺することはできません。
②原則は確定申告が必要
特別控除の50万円を差し引いても課税所得が発生する場合は、確定申告をする必要があります。
仮に給与所得がある人の場合、給与所得と金の譲渡所得を合算して所得税を計算し、確定申告書を提出する必要があります。
申告書の作成が不安な人は税理士に依頼する必要もある為、追加の費用がかかってしまう可能性もあります。
なお、課税所得が発生しない場合は確定申告は不要です。
4 . 金ETF・投資信託のメリット

税制上は基本的に「株式」と同じ扱いになります。
50万円の特別控除はありませんが、金ETF・投資信託の一番の強みは"NISAが使える"ということです。
①NISAの活用
NISA(成長投資枠)に対応している投資信託や金ETFを購入できれば、譲渡益は丸ごと非課税になります。
NISAの成長投資枠は年間240万円までの投資であれば非課税で運用ができます。
ただし、投信信託は運用のコスト(手数料)がかかる為、手数料の%は確認が必須です。
②損益通算ができる
株式と同じ扱いになるので、他の株式や投信信託で"損失"が発生している場合、譲渡益をその損失と相殺することができます。
逆も然りで、金ETFや投信信託で"損失"が発生してしまっても、他の株式で利益が出ていれば、その利益と相殺することが可能です。
③一律20.315%の税率
株式と同じで"分離課税"となる為、税率は一律20.315%(住民税込み)です。
元の所得が高い高所得者は既に税率が高い状態の為、一律20.315%の方が税率を低く抑えられる可能性があります。
既に株を運用している人や、高所得者、NISA枠を活用したい人に向いていると言えます。
5 . 金ETF・投資信託のデメリット
一見、メリットの方が多そうに見えますが、"一律20.315%の税率"がデメリットになる人もいます。
①利益の全額に税金がかかる
現物・純金積立の場合は50万円の特別控除と5年超の1/2があり、結果的に課税所得を少なくすることができましたが、金ETF・投資信託の場合は利益に丸ごと20.315%の税金が課されます。
1円でも利益が発生したら税金がかかるので、投資額が少額の人はデメリットになります。
②人によっては税率が高くなる
税率が一律20.315%の為、高所得者は税率が低く抑えられる可能性がありますが、逆に低中所得者は税率が高くなってしまう可能性があります。
例えば、所得200万円の人は所得税率10%のラインなので、住民税と合わせても20%で、一律20.315%の方が少し高くなってしまいます。
③運用コストがかかる
投信信託の場合は基本的に信託報酬などの運用コストがかかります。
NISA口座であれば非課税なのでコストが多少かかっても気になりませんが、NISA以外の場合は運用コストにも注意しましょう。
また、他に株式投資でNISAの枠をフル活用している人は、成長投資枠を一部埋めてしまうということもデメリットになるかもしれません。
6 . 税金のシミュレーション

それでは、「現物・純金積立」と「金ETF・投資信託」の税金の比較を見てましょう。
仮定として、他の所得は給与所得※のみで、金の売却益で200万円が発生したとして計算しています。
※給与所得は年収ではなく「所得金額」なのでご注意ください。
①給与所得200万円で短期保有の場合
≪現物・純金積立≫
譲渡所得 = 売却益200万円 - 特別控除50万円 = 150万円
課税所得 = 給与所得200万円 + 譲渡所得150万円 = 350万円
所得税 =(350万円×20%)- 控除額427,500円 = 272,500円
住民税 = 350万円 × 10% = 350,000円
税額 = 272,500円 + 350,000円 = 622,500円
≪金ETF・投信信託≫
譲渡所得 = 200万円
分離課税 = 200万円 ×20.315% = 406,300円
給与所得 = 200万円
所得税 =(200万円×10%)- 控除額97,500円 = 102,500円
住民税 = 200万円 × 10% = 200,000円
税額 = 406,300円 + 102,500円 + 200,000円 = 708,800円
短期保有であっても現物・純金積立の方が最終納税額が少なくなる見込みです。5年超の長期保有であればさらに有利になります。
②給与所得700万円で短期保有の場合
≪現物・純金積立≫
譲渡所得 = 売却益200万円 - 特別控除50万円 = 150万円
課税所得 = 給与所得700万円 + 譲渡所得150万円 = 850万円
所得税 =(850万円×23%)- 控除額636,000円 = 1,319,000円
住民税 = 850万円 × 10% = 850,000円
税額 = 1,319,000円 + 850,000円 = 2,169,000円
≪金ETF・投信信託≫
譲渡所得 = 200万円
分離課税 = 200万円 ×20.315% = 406,300円
給与所得 = 700万円
所得税 =(700万円×23%)- 控除額636,000円 = 974,000円
住民税 = 700万円 × 10% = 700,000円
税額 = 406,300円 + 974,000円 + 700,000円 = 2,080,300円
5年以下の短期保有の場合、金ETF・投信信託の方が有利になります。
③給与所得700万円で長期保有の場合
≪現物・純金積立≫
譲渡所得 = 売却益200万円 - 特別控除50万円 ×1/2 = 75万円
課税所得 = 給与所得700万円 + 譲渡所得75万円 = 775万円
所得税 =(775万円×23%)- 控除額636,000円 = 1,146,500円
住民税 = 775万円 × 10% = 775,000円
税額 = 1,146,500円 + 775,000円 = 1,921,500円
≪金ETF・投信信託≫
譲渡所得 = 200万円
分離課税 = 200万円 ×20.315% = 406,300円
給与所得 = 700万円
所得税 =(700万円×23%)- 控除額636,000円 = 974,000円
住民税 = 700万円 × 10% = 700,000円
税額 = 406,300円 + 974,000円 + 700,000円 = 2,080,300円
5年超の長期保有の場合は、現物・純金積立の方が有利になります。
7 . まとめ
金投資は出口(売却時)の戦略も非常に重要です。
自身の所得や他の所得、他の株式投資の有無や確定申告の手間など、自身に合ったベストな選択肢を総合的に考えて検討するのが良いでしょう。
人それぞれ状況は違いますので、大きな金額を動かす前に、ぜひ一度お近くの税理士にシミュレーションをご相談ください。
ご相談の方は以下よりお問い合わせください。
初回は相談無料となります。
※上記記事は令和8年5月時点の情報に基づいて記載しております。
※上記記事は一般的な内容を記載しているため判断の際は専門家へのご相談をお願い致します。

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