償却資産申告書の作成方法を足立区の税理士が解説!
- 7 時間前
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5月に入り、ゴールデンウィークも明けて、少しずつ日常のペースが戻ってきた頃ではないでしょうか。
この時期は、新しく事業を始めた方や、オフィス環境を整えた方も多いかと思います。
「パソコンを買った」「デスクを新調した」「業務用の備品をまとめて購入した」など、事業に必要な設備投資を行った方もいるでしょう。
そこで注意したいのが、“その備品は償却資産税の対象になるのか“という点です。
自治体にもよりますが、これからの時期(毎年4月〜6月頃)は、昨年の申告に基づいた『償却資産税(固定資産税)の納税通知書』が対象の会社に届き始める時期でもあります。
ちょうど通知書が届く時期なので、納付書が届いて『これ何⁉』とならないよう、ここで一度確認しておきましょう。
今回は、所有資産にかかる『償却資産税』について足立区の税理士が徹底解説します!
目次
1 .そもそも『償却資産税』とは?
①どんな「資産」に税金がかかるの?
②税金はいくらかかるの?(税率と免税点)
③いつ申告して、いつ払うの?
2 . 【要注意】少額な備品を買った時の落とし穴
3 . 『税金がゼロ』でも申告は必要?(免税点について)
4 . 『圧縮記帳』を知ろう!
①圧縮記帳とは?
②なぜこの制度が必要なの?
③圧縮記帳の仕組み(どうやって税金を抑えるのか?)
④【超重要】一番勘違いしやすい落とし穴
⑤主な使われ方(対象になるケース)
5 . まとめ
1 . そもそも『償却資産税』とは?
会社や個人事業主が、事業のために使っている資産(パソコン、コピー機、机、内装設備、機械など)に対して、市区町村が課す税金です。土地や家屋にかかる固定資産税の仲間で、税率は原則として1.4%です。
毎年1月1日現在の資産の価格(評価額)をもとに算定される税金です。
わかりやすく理解していただくために、対象となるもの・ならないものや、税金の計算方法など、重要なポイントを整理して解説します。

①どんな「資産」に税金がかかるの?
事業目的で使っている資産が対象です。
【対象になる資産の例】申告が必要
・構築物 : 駐車場など舗装路面や基礎のない簡易的な建物(プレハブ倉庫)など
・事務機器・備品 : パソコン、コピー機、応接セット、エアコンなど
・機械・装置 : 工場の機械、厨房機器、太陽光パネルなど
・店舗・内装設備 : テナントを借りて行った内装工事(造作)、看板など
【対象にならない資産の例】申告が不要
・土地・基礎のある建物 (通常の固定資産税がかかるため)
・自動車・軽自動車などナンバープレートのある車両(自動車税が別途かかるため)
・ソフトウェア、特許権などの目に見えない無形固定資産
・10万円未満の消耗品など
②税金はいくらかかるの?(税率と免税点)
償却資産税は、所有している資産の「評価額(購入金額から年数経過による価値の減少分を差し引いた金額)」をもとに計算されます。
・税率 : 原則 1.4%
(例:評価額が200万円の資産を持っていた場合、200万円 × 1.4% = 年間28,000円)
・免税点 : 150万円未満なら税金は「ゼロ」
所有している償却資産の評価額の合計が150万円未満であれば、償却資産税は課税されません。
資産がある場合は、自治体が税金がゼロであるかを計算・確認するため、償却資産申告書の提出は毎年必要です。
③いつ申告して、いつ払うの?
償却資産税は、国税(法人税や所得税)とは別に、事業所がある市区町村(東京23 区の場合は都税事務所)に申告と納税を行います。
・申告の時期
毎年1月1日時点で所有している資産を、1月31日までに申告します。
・支払いの時期
申告をもとに市区町村が税額を計算し、春〜初夏頃に納税通知書が送られます。
原則として年4回(自治体によって時期は異なります)に分けて支払います。
2 .【要注意】少額な備品を買った時の落とし穴
実務上、最も間違いが多いのが「少額な備品(パソコンなど)」を買ったときの処理です。
法人税や所得税の計算(経費の落とし方)と、償却資産税のルールが違うため、ここで混乱が生じやすくなります。
特に注意したいのが、青色申告の中小企業が使える「30万円未満(令和8年度より40万円未満)の少額減価償却資産の特例」を使った場合です。
取得価額(1つあたり) | 経費の落とし方 | 償却資産税の対象になるか? |
10万円未満 | 全額をその年の経費にする(消耗品費) | 対象外 |
10万円以上~20万円未満 | 一括償却資産として3年間で均等に経費にする | 対象外 |
10万円以上~30万円未満 | 【特例】その年に全額経費にする(即時償却) | 【要注意】対象になる! |
3 . 『税金』がゼロでも申告は必要?(免税点について)
先ほどもありましたが、償却資産税には「免税点」というルールがあり、所有している資産の評価額の合計が150万円未満であれば、税金はかかりません。
しかし、ここで気をつけたいのが「税金がゼロ円でも、事業用資産を持っているなら市区町村への申告自体は毎年必要」という点です。「150万円未満だから書類は捨ててしまった…」ということがないように気をつけてくださいね。
4 . 『圧縮記帳』を知ろう!
① 圧縮記帳とは?
圧縮記帳とは、国や自治体から補助金をもらったり、火災などで保険金を受け取って固定資産を買ったときに、「その年(受け取った年)に税金がドカンと持っていかれるのを防ぐための会計・税務上の特例ルール」です。
② なぜこの制度が必要なの?
例えば、会社が「1,000万円の機械」を買うために、国から「500万円の補助金」をもらったとします。
本来、補助金の500万円は「雑収入」として会社の利益(益金)になります。 もしそのまま決算を迎えると、この補助金500万円に対して約150万円(実効税率30%とした場合)の法人税等がかかってしまいます。
せっかく機械を買うために500万円をもらったのに、税金で150万円引かれてしまっては、手元には350万円しか残りません。これでは「設備投資を応援するための補助金」の意味が薄れてしまいますよね。これを防ぐのが圧縮記帳です。
③ 圧縮記帳の仕組み(どうやって税金を抑えるのか?)
圧縮記帳を使うと、以下のような処理をします。
利益と損失を相殺する
もらった補助金500万円(利益)と同じ額だけ、買った機械の価値を減らす処理(=圧縮損という損失)を計上します。
【利益】500万円 - 【圧縮損】500万円 = 利益ゼロ
これにより、もらった年の税金はかからなくなります。
資産の帳簿価額を「圧縮」する
その代わり、1,000万円で買った機械の帳簿上の価値(帳簿価額)を、補助金と同じ500万円分減らして、「500万円で買った機械」として登録します。
(※帳簿上の金額が小さく「圧縮」されるため、圧縮記帳と呼ばれます)
④ 【超重要】いちばん勘違いしやすい落とし穴
ここで注意しなければならない点は、
「圧縮記帳は『税金の免除』ではなく、『税金の先送り(課税の繰延べ)』である」ということです。
圧縮記帳をした場合: 機械の帳簿価額が500万円になるため、翌年以降に経費にできる金額(減価償却費)のベースは500万円分しかありません。
圧縮記帳をしなかった場合: 機械の帳簿価額は1,000万円のままなので、翌年以降、1,000万円をベースに減価償却費を計上できます。
つまり、「もらった初年度の税金は安くなるけれど、2年目以降は経費(減価償却費)が少なくなる分、毎年少しずつ税金が高くなる」仕組みです。 何年かトータルで見ると、最終的に払う税金の総額はほぼ同じになります。「補助金が非課税になる魔法の制度」ではない、ということですね。
ここで重要ポイント!!
圧縮記帳をして帳簿上の価値(帳簿価額)が1,000万円から500万円に減ったとしても、市区町村に払う「償却資産税」の計算ベースは、元の1,000万円のままです。
⑤ 主な使われ方(対象になるケース)
国庫補助金等: ものづくり補助金や事業再構築補助金などで設備を買ったとき
保険差益: 火災や事故で保険金をもらい、代わりの資産を買ったとき
収用等の補償金: 国や自治体の道路拡張などで立ち退き料をもらい、代わりの土地建 物を買ったとき
5 . まとめ

1月が近づいてきたら「今年は何か大きな備品を買ったかな?」と確認する習慣をつけておくのがおすすめです。
「新しく買ったパソコンは申告の対象になる?」「内装工事をしたけれど、どう申告すればいい?」など、償却資産税についてご不安なことがありましたら、ぜひお気軽に当事務所までご相談ください!
ご相談の方は以下よりお問い合わせください。
初回は相談無料となります。
※上記記事は令和8年4月時点の情報に基づいて記載しております。
※上記記事は一般的な内容を記載しているため判断の際は専門家へのご相談をお願い致します。



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