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178万円の壁が採用された場合はどうなったのか!?国民民主党案について足立区の税理士が解説

  • hsatou0
  • 4 分前
  • 読了時間: 4分

 前回のブログでは2025年に採用される「160万円の壁」について解説しました。今回は、仮に国民民主党が主張した「178万円の壁」が採用されていた場合、現行の「160万円の壁」とはどれだけ所得税の負担が違ったのかについて解説します。

※前回のブログ同様、社会保険料控除等の控除は度外視。住民税、復興特別所得税等についても触れていません。

目次

1. 2025年版所得税

2. 国民民主党案(178万円の壁)

3.税額の比較

4.減税効果の分析

5.まとめ


1.2025年版 所得税

178万円の壁が採用された場合

 2025年の税制改正案では、年収に応じて控除額や税率が変わる、2024年までとは異なる仕組みが採用されています。具体的な年収別税額は次のようになります。

年収 (万円)

給与所得控除 (万円)

基礎控除 (万円)

課税所得 (万円)

所得税額 (円)

178

65

95

18

9,000

200

68

88

44

22,000

300

98

88

114

57,000

400

124

88

188

94,000

500

144

68

288

190,500

600

164

68

368

308,500

700

180

63

457

486,500

800

190

63

547

666,500

900

195

58

647

866,500

1,000

195

58

747

1,082,100

1,200

195

58

947

1,591,410

1,400

195

58

1,147

2,249,100

1,600

195

58

1,347

2,909,100

1,800

195

58

1,547

3,569,100

2,000

195

58

1,747

4,229,100



2. 国民民主党案(178万円の壁)

178万円の壁が採用された場合

 一方、国民民主党が提案した「年収178万円案」では、基礎控除が一律123万円に設定され、給与所得控除は2024年のものが採用されています。この案では、低〜中所得者層の税負担が大きく軽減されることが特徴です。

年収 (万円)

給与所得控除 (万円)

基礎控除 (万円)

課税所得 (万円)

所得税額 (円)

178

55

123

0

0

200

70

123

7

3,500

300

98

123

79

39,500

400

124

123

153

76,500

500

144

123

233

135,500

600

164

123

313

215,500

700

180

123

397

366,500

800

190

123

487

546,500

900

195

123

582

736,500

1,000

195

123

682

936,500

1,200

195

123

882

1,392,600

1,400

195

123

1,082

2,034,600

1,600

195

123

1,282

2,694,600

1,800

195

123

1,482

3,354,600

2,000

195

123

1,682

4,014,600



3.税額の比較

178万円の壁が採用された場合

 次に、減税額を割合で見てみましょう。この比較では、減税額の割合(どれだけ税金が軽減されたかの割合)に注目しています。

年収 (万円)

2025年版 所得税額 (円)

国民民主党案 所得税額 (円)

税額差 (円)

減税額割合 (%)

178

9,000

0

▲9,000

100%

200

22,000

3,500

▲18,500

84.1%

300

57,000

39,500

▲17,500

30.7%

400

94,000

76,500

▲17,500

18.6%

500

190,500

135,500

▲55,000

28.9%

600

308,500

215,500

▲93,000

30.1%

700

486,500

366,500

▲120,000

24.7%

800

666,500

546,500

▲120,000

18.0%

900

866,500

736,500

▲130,000

15.0%

1,000

1,082,100

936,500

▲145,600

13.5%

1,200

1,591,410

1,392,600

▲198,810

12.5%

1,400

2,249,100

2,034,600

▲214,500

9.5%

1,600

2,909,100

2,694,600

▲214,500

7.4%

1,800

3,569,100

3,354,600

▲214,500

6.0%

2,000

4,229,100

4,014,600

▲214,500

5.1%



4.減税効果の分析

178万円の壁が採用された場合

1. 低所得者にとって大きな効果!

 特に年収200万円の人にとっては、税負担の84.1%が軽減される結果となりました。18,500円の減税は、年収200万円の方にとっては生活費の一部に直結する大きな影響を与えます。高い割合の減税効果は、低所得者層が抱える生活費への圧迫を軽減するため、非常に強力なサポートとなります。


2. 中所得者層もメリットを享受

 次に、年収500万円の場合、減税額の割合は28.9%となります。55,000円の減税は生活費や貯蓄にとって助けになる金額であり、家計の負担を軽減する効果があります。


3. 高所得者層でも減税効果は存在するが、割合は低め

 年収1,000万円2,000万円といった高所得者層の場合、減税額は絶対額で見ると大きいですが、減税額の割合はそれほど高くありません。年収1,000万円では13.5%、年収2,000万円では5.1%の減税が行われます。これにより、税負担が軽減されるものの、生活水準への影響は少なく感じられるかもしれません。



5.まとめ:税制改正の影響は手取り額に大きく反映される

178万円の壁が採用された場合

 所得税の減税額を、絶対額と割合の両方で見ることが重要です。低〜中所得者層にとっては、減税効果の割合が高いため、大きなサポートとなり、生活に大きな影響を与えることが分かりました。

  • 年収200万円の低所得者には、84.1%の税負担軽減があり、生活費の負担が大きく軽減されます。

  • 年収500万円の中間層でも、28.9%の減税効果があり、かなりの助けになります。

  • 年収1,000万円以上の高所得者では、減税額は大きくても、相対的な軽減割合は低く、税負担の影響が小さく感じられるかもしれません。

 国民民主党の税制案が仮に実施されていたら、特に低〜中所得層の家計にとって、税金の負担が軽減され、生活が楽になる可能性が高かったでしょう。




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※上記記事は令和7年4月時点の情報に基づいて記載しております。

※上記記事は一般的な内容を記載しているため判断の際は専門家へのご相談をお願い致します。




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