白色申告による確定申告の注意点を足立区の税理士が解説!
- hsatou0
- 10月10日
- 読了時間: 6分
今回は、白色申告を行う際の確定申告で、特に注意すべきポイントについて、足立区の税理士が、分かりやすく解説します。
初めて白色申告をする方、これまで自己流でやってきたけれど不安がある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
⒈そもそも白色申告とは?
⒉白色申告でも必須!「記帳」のルール 📒
⒊確定申告書作成時の注意点 📄
⒋まとめ
⒈そもそも白色申告とは?

確定申告には、主に「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。
白色申告は、青色申告のような事前申請や複雑な記帳義務がなく、比較的シンプルな方法で申告でき、主に、小規模な事業をしている方などが利用します。
ただし、青色申告で受けられるような特別控除(最大65万円など)や赤字の繰り越しといった税制上の優遇措置は受けられません。
白色申告の主な特徴(青色申告との比較)
項目 | 白色申告 | 青色申告(比較) |
事前の届出 | 不要(青色申告の申請をしない場合、自動的に白色申告となる) | 必要(事前に「青色申告承認申請書」の提出が必要) |
記帳方法 | 簡易簿記(単式簿記)が認められるため、記帳が比較的簡単 | 原則として複式簿記(10万円控除は単式簿記も可) |
提出書類 | 確定申告書と収支内訳書 | 確定申告書と青色申告決算書 |
税制上の優遇 | 受けられない | 多い(特別控除、赤字の繰り越しなど) |
⒉白色申告でも必須!「記帳」のルール 📒

「白色申告は簡単」と言われますが、平成26年(2014年)から、事業所得、不動産所得、山林所得のある全ての方に記帳と帳簿の保存が義務付けられました。
📌 記帳で守るべきポイント
白色申告で必要な帳簿は、主に以下の2種類です。
収入金額や必要経費を記載した帳簿(簡易なもの)
日付、取引先、内容、金額を記録します。
売上だけでなく、仕入れや経費(家賃、水道光熱費、交通費など)も漏れなく記録しましょう。
業務に関する上記以外の記録(レシート、領収書など)
領収書や請求書は、必ず日付順に整理し、7年間(一部の書類は5年間)保存が必要です。
【⚠️ 足立区の税理士からのアドバイス】
特に注意が必要なのが、プライベートな支出と事業用の支出の区別です。
家賃や電気代など、事業と私用の両方で使っている費用は、「家事按分(かじあんぶん)」という方法で事業に使った割合だけを経費に計上できます。
この割合を合理的に説明できるよう、記録を残しておきましょう。
また、白色申告のメリット・デメリットについては、下記のとおりです。
メリット(白色申告の利点)
手続きがシンプルで簡単:事前の届出が不要で、青色申告に比べて提出書類や日々の 記帳が簡単です。簡易簿記(単式簿記)で記帳できるため、簿記の知識が少なくても取り組みやすいです。
申告にかかる手間を最小限に抑えられる:特に、事業規模が小さく、経理に時間をかけたくない方に適しています。
デメリット(白色申告の欠点)
節税効果が低い:「青色申告特別控除」(最大65万円など)が受けられず、所得から控除できる金額が少ないため、青色申告に比べて納税額が多くなる可能性があります。
赤字(損失)の繰り越しができない:事業で赤字が出た場合、翌年以降の黒字と相殺して税負担を軽減する「損失の繰越控除」が原則として利用できません。
家族への給与が全額経費にならない:生計を一にする家族(事業専従者)に給与を支払っても、原則として全額を経費にできず、「事業専従者控除」という制限された額しか控除できません。
⒊確定申告書作成時の注意点 📄

白色申告で確定申告書を作成する際の注意点は、主に「収支内訳書の正確な作成」「経費の計上漏れ防止」「所得控除の適用忘れ防止」の3点です。
白色申告は、青色申告に比べてシンプルですが、正確な納税額を算出するために、以下の点に注意が必要です。
①収支内訳書作成時の厳守事項 📄
白色申告では「収支内訳書」を作成し、確定申告書に添付します。
これは1年間の事業の成績表となるため、正確さが重要です。
📌 収益・費用の計算ルール
項目 | 注意点 |
会計原則 | 現金受領の有無に関わらず、取引が発生・実現した時点で経費・売上を計上しなければならない。(例:12月に請求したが、入金は翌年1月の場合、売上は今年分として計上) |
家事消費 | 事業用の商品などを自家用に消費した場合、その通常の販売価額を売上金額に含めること。 |
売上・仕入の明細 | 収支内訳書の2ページ目にある「売上(収入)金額の明細」と「仕入金額の明細」は、金額が大きい取引先から順に記載すること。書ききれない分は合算して「計」として記載する。 |
減価償却費 | 10万円以上の固定資産(パソコン、機械、建物など)を購入した場合、法定耐用年数に基づいて減価償却費を計算し、記載すること。 |
②経費の計上漏れを防ぐポイント 💰
計上漏れは、そのまま所得金額の過大計上につながり、納税額が増える原因となります。
特に、以下の項目は、見落としがちです。
★家事按分(かじあんぶん)の適正な計上
自宅兼事務所の場合、以下の費用は、事業で使用した割合を合理的に算出し、経費にできます。
地代家賃:自宅の家賃や管理費。
水道光熱費:電気代、ガス代、水道代。
通信費:固定電話代、携帯電話代、インターネット回線費用。
自動車関連費:事業で車を使用している場合のガソリン代、自動車税、保険料、高速道路代、パーキング代。
③所得控除の適用漏れを防ぐ 🛡️
所得控除は、事業の経費とは別に、納税者個人の事情に応じて所得から差し引けるものです。
適用漏れがないか確認しましょう。
各種控除のポイント
控除の種類 | 必要書類(添付または提示) | 注意点 |
社会保険料控除 | 国民年金保険料、国民健康保険料の支払証明書 | 1年間に支払った合計額を忘れずに計上する。 |
生命保険料控除 | 生命保険料控除証明書 | 新・旧の制度があり、控除額の上限が異なるため注意。 |
地震保険料控除 | 地震保険料控除証明書 | 控除を受けられるのは「保険料を支払った人」。 |
医療費控除 | 医療費の明細書 | 1年間の医療費が一定額(原則10万円)を超えた場合。 |
扶養控除・基礎控除 | 申告書に記入 | 納税者自身が対象となる控除も忘れずに適用する。 |
⒋まとめ
白色申告は、青色申告に比べてシンプルですが、ご自身の事業内容に合わせた適切な経費処理、そして何より正確な記帳と申告が必要です。
「これで合っているのかな?」「どの費用が経費になるの?」といった不安を感じたら、ぜひ足立区内の税理士にご相談ください。
地域の事情に精通した税理士が、あなたの事業を力強くサポートします!
正確な申告で、気持ちよく事業を継続していきしょう!
ご相談の方は、以下よりお問い合わせください。
初回は、相談無料となります。
※上記記事は、令和7年10月時点の情報に基づいて記載しております。
※上記記事は、一般的な内容を記載しているため、判断の際は、専門家へのご相談を
お願 い致します。



コメント