top of page

株の損失は確定申告をしないと繰り越せない!株の売買があった場合の確定申告の方法を足立区の税理士が解説!

  • hsatou0
  • 11 分前
  • 読了時間: 5分

近年、資産形成の手段として株式投資をされている方が増えています。


株の取引には、利益(譲渡益)が出ることがあれば、残念ながら損失(譲渡損)が出てしまうこともあります。


「特定口座(源泉徴収あり)」を利用している方は、通常、税金の手続きを証券会社が代行してくれるため、確定申告は不要となる場合が多いです。


しかし、「株の損失を翌年以降に繰り越したい」、「複数の証券口座の損益を合算したい(損益通算)」といった場合には、必ず確定申告が必要となります。


特に、損失を翌年以降に活かす「繰越控除」の制度は、確定申告をしないと利用できません。


この記事では、株の売買があった場合の確定申告の必要性や、具体的な手続きについて分かりやすく解説します。


目次

⒈確定申告が必要な場合・不要な場合

⒉損失の繰越控除(3年間の繰り越し)は絶対に見逃さないで!

⒊確定申告で準備するものと手順(特定口座/一般口座共通)

⒋まとめ


⒈確定申告が必要な場合・不要な場合

ree

株の取引における確定申告の要否は、主に「口座の種類」と「取引内容」によって決まります。


確定申告が不要な場合(原則)

  • 特定口座(源泉徴収あり)のみで取引

    • 売却益から税金が源泉徴収されているため、原則として確定申告は不要です。


  • 特定口座(源泉徴収なし)または一般口座で取引があり、かつ年間の利益(譲渡益)が20万円以下

    • 給与所得者で給与・退職所得以外の所得が20万円以下の場合、住民税の申告は必要ですが、所得税の確定申告は不要となります。


確定申告が必要・した方が有利な場合

        ケース

         概要

① 損失を翌年以降に繰り越したい

3年間の繰越控除の適用を受けるには、損失が発生した年も、その後3年間利益と相殺する年も、連続して確定申告が必要です。

② 複数の口座間で損益通算をしたい

複数の証券口座(例:A証券の利益とB証券の損失)の損益を合算し、全体の税負担を減らす損益通算を行うには、確定申告が必要です。

③ 特定口座(源泉徴収なし)または一般口座で年間の利益が20万円超

所得税の課税対象となるため、確定申告が必要です。

④ 特定口座(源泉徴収あり)だが、源泉徴収された税金を取り戻したい

他の口座の損失と相殺(損益通算)した場合など、源泉徴収された税金が多すぎる場合に還付を受けるには、確定申告が必要です。


⒉損失の繰越控除(3年間の繰り越し)は絶対に見逃さないで!

ree

株の損失が出た際に最も重要なのが「譲渡損失の繰越控除」という制度です。


繰越控除の仕組み


この制度を利用すると、その年に発生した株式等の譲渡損失を、翌年以後3年間にわたって株式等の譲渡益から控除(相殺)することができます。


【例】

  • 2025年に100万円の損失が出た。

  • 2026年に50万円の利益が出た。

    • 確定申告をすることで、この50万円の利益と前年の損失を相殺できるため、2026年の税額は0円になります。

    • 残りの50万円の損失は、2027年・2028年に繰り越せます


🚨 繰越控除の適用を受けるための注意点


この制度を利用するための最大のポイントは、「損失が出た年も、その後3年間(利益と相殺する年)も、連続して確定申告を行うこと」です。


特定口座(源泉徴収あり)で取引している方で、たまたまその年に損失が出た場合でも、「どうせ税金はかからないから」と確定申告をしないと、この損失を繰り越す権利を失ってしまいます


将来の利益に対する税額を減らすためにも、損失が出たら忘れずに確定申告をしましょう。


⒊確定申告で準備するものと手順(特定口座/一般口座共通)

ree

株の売買に関する確定申告は、「確定申告書」の他に「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」や「特定口座年間取引報告書」などの添付書類が必要です。


準備する書類

  1. 特定口座年間取引報告書

    • 特定口座を利用している場合、証券会社から交付されます。

    • 「源泉徴収あり/なし」に関わらず、確定申告を行う際は添付が必要です。


  2. (特定口座を利用していない場合)年間取引損益計算書または売買報告書

    • 一般口座で取引している場合、年間で売却した全ての取引について、売却額と取得費を計算するための書類が必要です。


  3. 源泉徴収票(給与所得者の場合)


  4. マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)


  5. 振込先の銀行口座情報(還付申告の場合)


確定申告の手順

  1. 書類の準備

    • 上記の必要書類を揃えます。


  2. 譲渡所得の計算

    • (譲渡収入金額)-(株式等の取得費)-(譲渡費用)=(譲渡所得等の金額)

    • 特定口座年間取引報告書に記載されている金額を使えば計算が容易です。


  3. 確定申告書の作成

    • 国税庁のe-Tax(電子申告)を利用するか、確定申告書作成コーナーで書類を作成するのが便利です。


  4. 申告書の提出

    • 所轄の税務署に郵送、持参、またはe-Taxで提出します。


  5. 納税または還付

    • 利益が出て納税が必要な場合は、指定された期限までに納税します。

    • 損失の繰越控除や損益通算により税金が還付される場合は、後日、指定口座に振り込まれます


⒋まとめ


チェックポイント

確定申告は?

損失を翌年以降に繰り越したい

必要(必須)

複数の口座の利益と損失を相殺したい(損益通算)

必要

特定口座(源泉徴収あり)で利益が出た

原則不要

特定口座(源泉徴収なし)/一般口座で利益が出た

必要


株の損失を繰り越すには、確定申告が必須です。


この大切な手続きを忘れてしまうと、将来の税負担が大きく増えてしまう可能性があります。


ご自身の取引状況を確認し、必要に応じて早めに確定申告の準備を進めましょう。


足立区にお住まいで、


  • 初めて株の確定申告をするので不安だ」

  • 複数の証券会社の取引があり、損益通算が複雑で計算が大変」

  • 繰越控除の仕組みがよくわからない」


といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度、当事務所にご相談ください。


複雑な税務手続き正確かつ迅速に行い、お客様が最大限の節税メリットを受けられるようサポート致します。


確定申告の期限は、毎年3月15日です。


余裕をもってご準備ください。




ご相談の方は、以下よりお問い合わせください。

初回は、相談無料となります。


※上記記事は、令和7年10月時点の情報に基づいて記載しております。

※上記記事は、一般的な内容を記載しているため、判断の際は、専門家へのご相談を

 お願い致します。





コメント


bottom of page