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中小企業必見!賃上げ投資の落とし穴と赤字でも安心な『5年間の繰越税額控除措置』を足立区の税理士が徹底解説!!

4 時間前
読了時間: 9分

ニュースなどでも度々耳にする、物価高と賃上げ。

令和6年度(2024年度)の税制改正では、「賃上げ促進税制」が強化され、中小企業向けに「5年間の繰越税額控除措置」が新設されました。

また、令和8年度(2026年度)の税制改正により、税制の上乗せ措置等に大きな変更がありました。


今回は、制度の恩恵を最も受ける、中小企業の経営者・経理担当者や個人事業主の皆様へ、賃上げ投資とその注意点について足立区の税理士が徹底解説します!


1 . なぜ今『 賃上げ投資 』なのか!?賃上げ促進税制のおさらい

2 . 実際にいくら安くなる?【 基本の計算式 】

3 . 要注意!賃上げ投資を活用する際の『 3つの落とし穴 』

 ① すべての『給与』が対象になるわけではない

 ② 税金が『 ゼロ 』になるわけではない( 控除上限の壁 )

 ③ 最大の課題『 赤字の年は1円もメリットがない⁉ 』

4 . 令和6年度改正の目玉!赤字でも安心な『 5年間の繰越税額控除措置 』とは?

5 . 繰越税額控除措置を活用するための『 必須ルール 』

6 . 賃上げは中長期的な計画で!まずは専門家にご相談を


1 . なぜ今『賃上げ投資』なのか!?賃上げ促進税制のおさらい

賃上げ税制とは・・・おさらい
賃上げ税制とは・・・おさらい

昨今の物価高や円安、中東情勢など目まぐるしく変わる経営環境の中で、中小企業の経営者様からも「求人を出しても応募がない」「手塩にかけて育てた若手社員が辞めてしまう」といったお悩みの声を本当によくお聞きします。


少子化も想定を上回るスピードで進んでいることから、この慢性的な人手不足は一時的な波ではなく、今後さらに激化していく確実な未来と思われます。

大企業だけでなく中小企業においても、他社より魅力的な労働環境を提供できなければ、事業の維持すら危ぶまれてしまう・・・そんな時代に突入しているのです。


これまで、給与の引き上げは企業にとって利益を圧迫する『単なるコスト(経費)』として捉えられがちでしたが、いまでは賃上げは優秀な人材を確保・定着させ、企業の生産性を高めるための『未来への不可欠な投資』へと大きく意味合いを変えています。


こうした厳しい環境下でも、前向きに『賃上げ投資』を行う中小企業を、国も強力に後押ししています。それが『賃上げ促進税制』です。

これは、給与等の支給額の増加額の一部を、法人税や所得税から控除できる制度です。

しかもこれは、税額控除。所得控除ではありません。


しかし、「ただ給料を上げれば勝手に税金が安くなる」 という単純なものではありません。制度を正しく理解していなければ、せっかくの投資が空振りに終わってしまう可能性もあります。


では、賃上げ税制を活用する際の『よくある落とし穴』や令和6年度の税制改正で新設された『繰越税額控除措置』について、見ていきましょう。



中小企業庁のガイドブック(令和8年5月1日更新版)はこちらをご参照ください。





2.実際にいくら安くなる?【基本の計算式】

≪必須条件≫

給与等支給額が前年度と比べて、1.5%以上または2.5%以上増加していること


≪基本の計算式≫

 給与の増加額 × 15% または 30%(※)= 税額控除額(安くなる税金)

(※一定の要件を満たすと、この『15%』が最大『35%』までアップします。)


≪具体的なシュミレーション≫

例えば、前年度の従業員給与の総額が「5,000万円」の会社が、今年「5,100万円」に賃上げしたとします。


・給与の増加額 : 100万円(2%の賃上げ)

・基本の税額控除 : 100万円 × 15% = 15万円!


つまり、賃上げとして投資した100万円のうち、15万円がそのまま法人税から差し引かれる(キャッシュバックされるようなイメージ)ということです。


さらに、賃上げ率を『2.5%以上』に引き上げた場合は控除率が +15%の30%‼(2倍‼)

加えて、『子育て支援や女性活躍の認定(くるみん・えるぼし等)を受けている場合(+5%)の要件もクリアすると、最大で増加額の35%が控除されます。

上記の例の会社が、給与を200万円アップさせ、各認定を受けていた場合は、70万円を法人税から差し引かれます。


国がいかに本気で中小企業の賃上げを応援しているかが、この数字からもわかりますね。




3 . 要注意!賃上げ投資を活用する際の『 3つの落とし穴 』

『賃上げ促進税制』は要件を満たせば非常に強力な節税効果を発揮しますが、「とりあえず給料を上げれば自動的に税金が安くなる」というわけではありません。


ここでは、経営者様が実務上特に勘違いしやすい『3つの注意点』を解説します。


① すべての『 給与 』が対象になるわけではない

この制度の最大の目的は、『一般の従業員』の所得を増やすこと。そのため、会社が支払う人件費のすべてが対象になるわけではありません。


 ◎対象とならない代表例

   ・役員報酬

   ・役員の特殊関係者(親族など)への給与

   ・退職金


「社長自身の役員報酬を引き上げた」「経理を手伝ってくれている奥様の給料を上げた」といったケースは、制度の計算上は給与の増加分としてカウントされませんので注意が必要です。


② 税金が『 ゼロ 』になるわけではない(控除上限の壁)

「計算の結果、100万円の税額控除が受けられる!」と分かっても、その全額が必ずしも税金から引かれるわけではありません。


この制度には、『控除できるのは、その年の法人税額(または所得税額)の20%まで』という上限ルールが設けられています。つまり、元々の法人税額が少ない場合はせっかくの控除枠を使い切ることができず、もちろん税金が完全にゼロになることもありません。


③ 最大の課題『赤字の年は1円もメリットがない!?』

そして、これまで多くの中小企業を悩ませてきた最大の落とし穴がコレです。

税額控除はあくまで『発生した法人税(または所得税)から差し引く』仕組みです。そのため、決算が赤字で法人税がゼロの年は、いくら無理をして賃上げを頑張っても、税制上の恩恵は一切受けられなかったのです。

『従業員のために賃上げをしてあげたいけれど、今は業績が厳しくて赤字ギリギリ。税額控除も使えないなら、いまは見送るしかないか…』と、苦渋の決断で賃上げを躊躇されてきた足立区の経営者様も決して少なくないはずです。


しかし、ご安心ください!

この『赤字だと使えない』という最大の弱点をカバーする画期的なルールが、令和6年度(2024年度)の税制改正でついに誕生しました。それが次章で解説する大注目の『5年間の繰越税額控除措置』です。




4 .令和6年度改正の目玉!赤字でも安心な『5年間の繰越税額控除措置』とは?

廃棄損を疑う理由
5年間の繰越税額控除措置

前章でお伝えした通り、これまでの制度では『業績が厳しく、法人税が発生しない赤字の年』に賃上げを行っても、税制上のメリットは完全に切り捨てられていました。

しかし、令和6年(2024年)4月以降に開始する事業年度から、画期的なルールが新設されました。それが『未控除額の5年間の繰越税額控除措置』です。

これはひとことで言えば、『赤字の年(または税額が少なくて引ききれなかった年)に発生した税額控除の権利を、最長5年間ストックしておける』という制度です。


『賃上げ』は短期的なコストから、中長期的な『税金チケット』へ

この制度ができたことで、企業は『今年は赤字になりそうだから賃上げはやめておこう』と足踏みする必要がなくなりました。

人材確保のためにすぐにでも賃上げという『投資』を行い、その見返りである『税額控除』は、将来会社が黒字になり法人税を納めるタイミングでしっかり回収すればよいのです。


厚生労働省の最低賃金審議会は毎年夏頃行われ、秋口に施行されます。昨今の情勢では、会社が赤字であっても『最低賃金の引き上げ』は避けられないのが実情です。それならば、今年からは、ぜひこの『繰越制度』を活用して、人材を確保し、将来の黒字化に向けた対策としましょう!




5 . 繰越税額控除措置を活用するための『2つの必須ルール』

具体的な実務対策
繰越控除措置を活用するための2つの必須ルール

前章で解説した通り、赤字の年でも賃上げが無駄にならない『繰越制度』は大変魅力的ですが、このストック(繰越)を利用するためには、絶対に守らなければならない厳格なルールが存在します。

特に実務上、以下の2点は致命的な落とし穴になりやすいため注意が必要です。


① 赤字の年でも『 毎年の申告(明細書の添付)』が必須

『今年は大赤字で税金が出ないから、賃上げ税制の計算はしなくていいや』と考えてしまうのは絶対にNGです。


控除枠を翌年以降にストックするためには、税金が発生しない赤字の年であっても、毎年の確定申告において『当期はこれだけ賃上げをしたので、〇〇円の控除枠を翌期へ繰り越します』という専用の明細書(別表)を作成し、税務署へ提出し続ける必要があります。

一度でもこの申告を怠ると、せっかくストックしていた控除枠の連続性が途切れ、無効になってしまう恐れがあります。


② ストックを『 使う年 』にも賃上げが必要

これが最も勘違いしやすい最大の盲点です。

過去の赤字年度にストックした控除枠を、いざ黒字になった年に使おうとした場合、無条件で差し引けるわけではありません。


ストックを使う年度においても、『その年の給与総額が、前年度の給与総額を上回っていること』が絶対条件となります。

つまり、『業績が回復したけれど、今年は従業員が退職して給与総額が前年より減ってしまった』という年度には、過去のストックを使うことができないのです。(※使えなかった分は、5年の期限内であればさらに翌年へ持ち越せます。)

繰越のストックがある5年間は、業績を見ながらフットワークよく社員へ還元することも念頭に入れたいですね。




6 . 賃上げは中長期的な計画で!まずは専門家にご相談を

その他実務上の注意点
賃上げは中長期的な計画で

ここまで、賃上げ促進税制の注意点と、令和6年度から始まった新しい『繰越税額控除措置』について解説してきました。


繰り返しとなりますが、少子化による人手不足が申告する中、賃上げは中小企業が生き残るための『未来への投資』です。新しくなった賃上げ促進税制は、赤字という一時的なハードルを越えて、中長期的な視点で従業員への還元を目指す企業を強力にバックアップしてくれます。


しかし、今回ご紹介したように、制度の適用要件や計算方法、毎年の明細書の管理など、実務上のルールは非常に複雑です。『対象外の給与を含めて計算してしまった』『赤字の年に申告を忘れてストックが消滅した』といった失敗を防ぐためには、確実な事前準備が欠かせません。


『うちの会社の場合、どのくらい税額控除が受けられるのだろう?』

『赤字だけど、今のうちに賃上げをしておいた方が将来有利になる?』


少しでも気になった方は、ご自身で判断される前に、まずは税理士へお気軽にご相談ください!



ご相談の方は以下よりお問い合わせください。

初回は相談無料となります。


※上記記事は令和8年7月時点の情報に基づいて記載しております。

※上記記事は一般的な内容を記載しているため判断の際は専門家へのご相談をお願い致します。



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