top of page

税金の計算が有利!?役員退職金の税金の解説。

役員退職金は、企業のトップリーダーたちにとって重要な報酬です。この記事では、役員退職金にかかる税金の基本、節税戦略、そしてそれがどのように総合的な資産計画に影響を与えるかについて掘り下げていきます。


1、役員退職金の税務処理 ①所得税での取り扱い

所得税での退職金に係る税金の算出方法は以下の通りとなります。 ⅰ.退職所得の算出: - 退職金の総額から退職所得控除額を差し引いて算出します。 - 計算式:退職所得 = (退職金の総額 − 退職所得控除額)×1/2

役員等勤続年数が5年以下である人が支払を受ける退職手当等のうち、その役員等勤続年数に対応する退職手当等として支払を受けるものについては上記1/2の計算の適用はございません。

ⅱ.退職所得控除 - 勤続年数によって異なり、一定の基準に基づいて計算されます。 勤続年数20年以下⇒40万円×勤続年数(80万円に満たない場合には、80万円) 勤続年数20年超⇒800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20年)

ⅲ.税率 ・超過累進税率の適用: - 退職所得には所得税の超過累進税率が適用されます。これは所得が高くなるほど高い税率が適用されることを意味します。


②法人税での取り扱い

ⅰ. 損金算入の基本 - 損金算入:役員退職金は、一定の条件を満たす場合、法人税上の損金として計上することが可能です。 - 条件:退職金の支払いが、退職の事実に基づき金額が不相当に高額でない場合、適切な時期に損金算入可能となります。また、退職金の支給を決定した総会等の議事録を作成しておくこともエビデンスとしては重要となってきます。 ⅱ.上限金額の算出 - 功績倍率の使用:役員退職金の上限金額は、功績倍率を用いて計算されます。 - 計算方法:一般的には、役員の勤続年数と一定の倍率(功績倍率)を掛け合わせた金額が上限とされます。 - 例:勤続年数×最終報酬月額×功績倍率で計算されることが一般的です。ここでの功績倍率は、役員の職位や貢献度によって異なることがあります。(おおむね1~3倍) ⅲ.功績倍率の詳細 - 設定基準:功績倍率は、役員の業績評価や会社への貢献度に基づいて設定されます。 - 変動性:企業の規模、業種、業績などによって、適用される倍率は変わる可能性があります。 ⅳ.注意点 - 上限超過の場合:計算された上限を超える退職金を支払った場合、超過分は損金算入されません。 - 税務調査の対象:役員退職金の支払いは税務調査の対象となることが多く、適切な文書化と透明性が求められます。 役員退職金の法人税における取り扱いは、その計算基準や上限、損金算入の可否に関して明確なルールに基づきます。法人は、退職金の支払いが適切な退職金規程に沿っていること、また計算された上限を超えないことを確認する必要があります。適切な取り扱いは、税務上の問題を避け、企業の財務健全性を保つために重要です。具体的な計算方法や上限の設定については、税理士などの専門家の助言を受けることが推奨されます。


③メリット・デメリット ⅰ.メリット - 節税効果:退職所得は特定の計算方法に基づき課税されるため、通常の所得に比べて税率が低くなる可能性があります。 - 一定の控除額:退職金には一定の控除額が設けられているため、全額が課税対象とならない場合があります。 ⅱ.デメリット - 高額退職金の課税:退職金が高額になると、課税額も増加します。 - 税率の変動:税法の改正により、退職金の課税方式や税率が変更される可能性があります

 

2、 関連する金融商品 退職金を受け取る際によく使用される商品としては以下があげられます。 ・生命保険:解約時の返戻金を退職金の原資とすることが多いです。 ・倒産防止共済:こちらも生命保険同様返戻金を退職金の原資とすることが多いです。 ・小規模企業共済:個人の退職金制度で受給金額は退職金として取り扱われることが多いです。 これらの商品は、退職金と組み合わせることで、より効果的な資産運用が可能になります。

 

3、分掌変更とは - 分掌変更:役員の職務内容や責任範囲の変更を指します。これには役職の変更や部署の移動が含まれることがあります。 ①分掌変更時の退職金の取り扱い ・退職金の支払い基準: - 通常、役員が完全に退任する場合に退職金が支払われますが、分掌変更に伴う退職金の支払いは、企業の規定や契約により異なります。 ②税務上の取り扱い: - 分掌変更に伴う退職金が支払われる場合、その金額は役員退職金として法人税法上の損金算入の対象となる可能性があります。 - ただし、分掌変更時の退職金の支給はより注意が必要となり実質退職したと同様の実態がないと退職金として認められない可能性がございます。例えば報酬金額が大幅に減少したり代表取締役から非常勤になったりと劇的な変更が必要となります。 分掌変更時の役員退職金の取り扱いは、企業の内部規定や役員契約に大きく依存します。税務上の適切な処理と、公正かつ透明な退職金支払いの実施が重要です。具体的なケースにおいては、会社法や税法の専門家のアドバイスを求めることが望ましいでしょう。

 

4、まとめ 退職金、特に役員退職金の取り扱いは、その複雑さと重要性から、企業経営において慎重に考慮されるべきトピックです。分掌変更時の退職金支払いは、法的および税務的な観点から注意深く管理される必要があります。適切なガイドラインと透明性をもってこれらの問題に対処することが、企業の信頼性と財務の健全性を保つ鍵となります。最終的には、専門家の意見を聞きながら、公正かつ法的な枠組み内で適切な判断を下すことが重要です。


ご相談の方は以下よりお問い合わせください。

初回は相談無料となります。

https://www.kitasennjuzeirisi.com/contact


※上記記事は令和5年11月時点の情報に基づいて記載しております。

※上記記事は一般的な内容を記載しているため判断の際は専門家へのご相談をお願い致します。









閲覧数:35回0件のコメント

Comments


bottom of page