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法人の確定申告の手順

確定申告は、法人が各年度の利益をもとに税金を計算するプロセスとなります。なかなかご自身で法人の確定申告を行う方はいらっしゃいませんが税理士がどのような書類を作成しているのかイメージがわきやすいように簡単に作成方法を記載いたします。自社で申告書を作成予定の方やこれから税理士事務所に入社しようと考えている方は是非ご覧ください。

1. 確定申告の重要性 法人税、住民税、事業税などの法人向けの税金は、利益を基に算出されます。確定申告を通じて、正確な利益を申告することで、適正な税金の支払いが可能となります。また、誤った情報を提出すると、追徴課税のリスクもあるため、正確な申告が求められます。


 

2. 必要な書類の準備 確定申告を行う際には、以下の書類が主に必要です。 ・法人税申告書

※ソフトを使用される場合は申告書のご準備は不要です。 ・貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書 ・固定資産台帳


 

3. 会計を固める

まず一番初めに行うのは税額計算の基礎となる利益金額を算出しなければなりません。利益とは収益から費用を引いた金額を言います。正直申告書の作成よりも会計を固めるのが最も時間を使いますし、大変です。基本やることとしては固定資産の残高を合わせたり売掛金・買掛金等の債権債務を合わせることがメインとなります。

 

4. 確定申告書の作成 会計が固め終わったらいよいよ法人税の申告書の作成に移ります。法人税は会計の収益と費用の認識が異なる部分があるためその異なる部分の認識を埋めるため会計上の利益金額に加減算をして税額のもととなる金額を算出します。この加減算は別表4というもので行われるため法人税の申告書で一番重要なのはこの別表4となります。次に重要なのは別表1でこの様式で最終的な納税金額を算出することとなります。法人税の申告書はこの別表1と別表4が作成できればほぼ計算は完了します。

他に使用する主な別表は以下の通りとなります。

別表2「同族会社等の判定に関する明細書」

株式の保有状況を記載し同族会社に該当するのか否かの判定を行います。

別表5(1)「利益積立金額・資本金等の額の計算」

会計上と税務上の差異を記載したり資本金等の金額の算出を行います。

別表5(2)「租税公課の納付状況等」

税金の納付状況を記載します。

別表6(1)「所得税額の控除に関する明細書」

利息・配当で徴収された源泉所得税は税務上控除することが可能であるためその控除金額の算出のための様式となります。

別表7(1)「欠損金による損金算入」

損失が生じている場合、翌期以降に損失を繰越すことが可能であるためその繰り越しを行うための様式となります。

別表11(1の2)「一括評価金銭債権に係る貸倒引当金」

法人税法上、貸倒引当金として計上できる金額が定められているためその金額を算出するための様式となります。

別表15「交際費等の損金算入」

法人税法上、交際費に計上できる金額が定められているためその上限金額を超過していないかを計算する様式となります。

別表16「減価償却関連の様式」(数が多いためまとめております。)

減価償却する資産がある場合作成する様式となります。


 

5. 申告の提出 申告書を税務署に提出します。提出期限を守ることが重要です。期限を過ぎると、加算税等が発生する可能性があります。また、申告書の提出方法としては2つございます。1つ目は税務署に紙で申告書を提出する方法ともう一つは電子で申告書を提出する方法です。実務上、後者の方が圧倒的に便利であるため税理士は電子で申告をすることが多いです。電子で申告する場合は事前にEtax・eltaxの登録のお手続きを行わないといけないためご注意ください。

以下開始届の作成のためサイトとなります。

Etax開始届

eltax開始届

https://www.portal.eltax.lta.go.jp/apa/web/webindexb#eLTAX

 

6. 税金の支払い 法人税の場合の納期限は申告書と同様事業年度終了日の翌日から2月以内となります。納税の方法としては紙の納付書を金融機関等に持参して納税を行うという流れが基本多いかと思いますがこちらも電子で納税を行うことが可能です。電子で納税を行う方法は2パターンあり、事前に納税用の口座を登録して納税を行うダイレクト納税とIBで納税を行うために必要な番号等を発行し納税を行う方法がございます。ただし、ダイレクト納税を行う場合事前に税務署等に用紙を提出しなければならず登録までに1月ほど時間を要するためご注意ください。


 

7、追記

上記では国税の申告書の内容のみを記載しましたが実際は地方税の申告書の作成、各勘定科目の内訳を記載する「科目内訳明細書」事業の概要を記載する「事業概況説明書」、消費税の申告書(納税義務があれば)の作成も必要となってきますので以前申告書を作成していた方や税理士事務所勤務経験がある方以外は基本的に専門家である税理士に作成を依頼される方が安心ですし時間的なコストも浮くかと思います。


 

確定申告は、法人の経営において非常に重要なプロセスとなります。上記で解説した手順を順守し、必要な書類や手続きを適切に行うことで、法人としての社会的な責任を果たすことができます。また、正確な申告は、後の税務調査や追徴課税のリスクを低減する上での鍵となります。法人の運営者や税理士を目指す方々にとって、このプロセスの理解と実践は業務の質を向上させる要素となるでしょう。最後に、税務に関する手続きは複雑であり、適切な知識と経験が必要です。申告の際には十分な注意と、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。


ご相談の方は以下よりお問い合わせください。

初回は相談無料となります。

https://www.kitasennjuzeirisi.com/contact


※上記記事は令和5年10月時点の情報に基づいて記載しております。

※上記記事は一般的な内容を記載しているため判断の際は専門家へのご相談をお願い致します。









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